「板橋でセレクトショップをやりたい」―地元意識高い系になろう!

きっかけは、友人から「将来は、自分の趣味を打ち出したセレクトショップをやりたい」という話を聞いたからでした。板橋区の地域振興と合わせて、こういう夢を応援する方法はないものか?そう考えたのが、今回のシリーズを書き始めた動機です。

ここ3回に渡って商店街・個人商店にスポットを当ててブログ記事を書いてきましたが、その最初のきっかけは、友人から「将来は、自分の趣味を打ち出したセレクトショップをやりたい」という話を聞いたからでした。

板橋区の地域振興と合わせて、こういう夢を応援する方法はないものか?

そう考えたのが、今回のシリーズを書き始めた動機です。

■ 板橋は「ただ寝るだけの街」になるのか?

その友人は地元の商店で働いていますが、今、個人商店をやるということがいかに厳しいかを肌で感じているようです。

「どんどんやめるお店が増えている。特に年明けにバタバタと閉店した。よく「ニッパチはだめだ」と商売では言われるが、今は「2」と「8」の前後にまで伸びていって、1・2・3月と7・8・9月はだめだ、ぐらいの感じにまでなっている」

個人商店がなくなる代わりに現れるのがチェーン店です。

チェーン店が悪いとは言いませんが、今、日本全国どこに行っても、同じ看板、同じ店が立ち並ぶ光景です。

「特色のあるまちづくり」を謳うなら、特色のあるお店があってほしい。

そして特色のあるお店を呼び込むには、まちづくりのビジョンがなければならないのではないでしょうか。

そして今、板橋区でも、マンションや3階建ての建売住宅が急速に増えています。

こういったところに住む方々は、一般的に「新住民」と表現されることが多いです。通勤の利便性と住宅価格の妥当性を主眼に居住地を選ぶので、板橋区に住みながら、地元と関わる機会が少ないのではないか...と懸念されるわけです。

もちろんこれも、マンションや建売が悪いわけではありません。マンションや3階建売住宅の住民が、地域コミュニティの中に入ってこれるフローが必要なのです。

こういった、まちづくりのビジョンや地域参加のフローがなければ、単に安くて通勤に便利だから板橋に住み、働く場所は区外、遊びや買い物も区外、板橋ではただ寝るだけ...ということになりかねません。すると、

 新住民は、仕事は区外、遊びや買い物は池袋・新宿・渋谷、もしくは郊外大規模店

 ↓

 板橋地元の飲食店・中小企業・工場がつぶれる

 ↓

 空き地が増える

 ↓

 マンションや3階建て建売住宅が増えて、新住民が増える

 ↓

 最初に戻る

...という悪循環に陥ってしまうのではないでしょうか。

■ めざせ!「地元意識高い系」!

私はこれまで、委員会などで何度も「金太郎飴のようなまちづくりだけはやめてくれ」と訴えてきました。

本当に「金太郎飴のような街」にしたくなければ、住民も行政も議会も「地元意識高い系」をめざす必要があります。

「意識高い系」という言葉は揶揄的に使われることがありますが、「地元意識高い系」は揶揄的な意味を含みません。

極力、地元の資源・資産・資本・人材を活用する。お金はできるだけ地元で落とす。新しい試みはできるだけ地元でやる。

こういう意識の持ち主を「地元意識高い系」と呼ばせていただきます^^

地元意識高い系になるためには、本当に意識を高くしておかなければなりません。

そうでないと、気がつくとチェーン店でお金を落としてしまいます。

もちろん私も例外ではありません。相当に意識を高く保っておかないと、あっという間にチェーン店でお金使っちゃうんですよね。

なんでしょうこれ。洗脳されてる!?

最初にあげた友人は、本当に「地元意識高い系」です。できるだけ地元商店で買い物をしようとしています。

のみならず、夢であるセレクトショップも、板橋でやりたいと言っています。

普通に考えれば、そういう店は池袋ででもやったほうがずっと成功の確率が高いはずです。

それを板橋でやりたいというのだから...。感激ものですよ。

そこまで言ってくれる人がいるなら、板橋区行政と板橋区議会が最も意識を高くしなくてどうするのかっ!

ボーっとしていたら、板橋がどんどん金太郎飴になってしまうのですから。

■ 超地元意識高い街・南魚沼市牧之通り

一昨年の秋に視察に行った、新潟県南魚沼市「牧之通り」のHPと写真を見てくださいよ。

ご覧ください。この400年前にタイムスリップしたかのような街並みを...!

牧之通りは、元々は、ごくありがちなシャッター通り商店街でした。

しかし、無電柱化促進に伴い、牧之通りの特色を出したい...という地元の方々の強い意欲と粘り強い努力によって、これほどにまで「キャラ立ちした」街並みが生まれたのです。

ここまでのことをやるには、行政におんぶにだっこでは不可能です。

地域が総力を結集し、お金も時間も知恵も使わなければ、ここまでのことはできません。

これぞ「地元意識高い系」の最たるもの!

■ まずはこれくらいからどうでしょう:JR板橋駅〜新板橋駅間を「歩行者のための道」に!

牧之通りレベルのことをやるのは簡単ではありません。

板橋で地元商店を応援するために何ができるか...と考えたときに、まずはこれくらいからどうでしょう、という提案です。

これは、JR板橋駅と、都営三田線新板橋駅の間の道です。

地元の方ならよくわかると思いますが、この道はJR線と都営三田線を乗り換えるための通行者が非常に多いのです。

しかしそれにもかかわらず、道路は特に特別な規制もなく、車は双方通行可能です。

車は通行量の多い手前の旧中山道から、当たり前のようにこの道に入ってきます。

危険だと感じると同時に、これほど通行者が多いという特性をストリートとして活かそうという発想が何もありません。

できればこの道を歩行者専用道路としたいところですが、この道に面して、車をたくさん所有した事業者もありますし駐車場もあります。

ならばせめて、まずはこれくらいでもやれば少し変わってくるのでは...?

1. 道路をレンガ敷きにする。

2. 手前の旧中山道に対して、車の出入りを禁止する。

「歩行者を重視している道ですよ」ということをレンガ敷きで示し、そして裏道を通っての車の出入りは可としておいて、旧中山道に面したこの一点だけ車の出入りができないようにするだけでも、かなり歩行者が安心して歩けるようになるのではないかと思います。

板橋の街としての弱点は、ターミナル駅がひとつもなく、交通の「クロスポイント」がないことです。

ここは、クロスポイントを生み出せる区内で数少ない場所なのです。生かさない手はありません。

行政がクロスポイントを創り出して、新たなビジネスチャンスの掘り起こしを支援するべきです。

さらに大きな絵を描くなら、板橋駅・新板橋駅に東武東上線下板橋駅まで含めた三角地帯を、楽しんで歩けるショッピングモールとして作り変えていければ...と夢想しています。

しかし、まずはこれくらいから...。

「まずはこれくらい」と言いつつ、これでも結構ハードルが高いと思うのですが、とにかく最初はぶち上げなければ始まりませんから...!

「板橋で、セレクトショップがやりたいんだ」

そのくらいの夢が叶えられない街なんて(ry

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Facebookページ:中妻じょうた 板橋区議会議員

(2014年1月31日「中妻じょうたブログ」より転載)

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