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2018年04月16日 15時57分 JST | 更新 2018年04月16日 15時57分 JST

副業で国際協力―有給休暇を取ってアフリカの難民を支援する社会人に聞いた

「社会人になったら国際協力に関われなくなってしまうのが嫌だな」と思っていました。

カンボジアの小学校建設やフィリピンのスラム街ボランティアなど、海外での「国際協力活動」に携わる学生が多い。私自身、大学一年生の春にフィリピンの首都マニラでのスタディツアーに参加したことをきっかけに、国際協力活動に携わりはじめ、そして昨年5月にはNPO起業の道を選択した。

一方で、多くの学生は卒業すると国際協力とは無関係の企業に就職し、活動からは身を引いてしまう。私の周りにも、「社会人になってからも国際協力に携わりたい」という人は多いが、本業の忙しさからその想いを実現する機会を見出せていない人が多い。

今回、大手人材会社で働きながら、私が代表を務める特定非営利活動法人コンフロントワールドで理事を務める荒井昭則(あらい あきのり)に、「副業としての国際協力」に携わる想いをインタビュー形式で聞いた。

3月1日から、多くの企業では採用広報が解禁となり、来年春に卒業する予定の学生は就職活動を本格的にはじめている。卒業後も国際協力を続けたいと思っている学生はもちろん、すでに本業を持ちながらも、国際協力に関心のある社会人にも本記事を読んでいただければと思う。

荒井昭則(あらいあきのり)
1994年生まれ。特定非営利活動法人コンフロントワールド副代表理事。
大学3年までは学生団体に所属し、カンボジア農村部で衛生教育活動を実施。その後、一年間休学し、世界一周しながらボランティア活動を行う。資金や物品の一部をクラウドファンディングや民間企業のスポンサーから集め、4大陸8の国でボランティア活動を行った。具体的な活動は、スリランカでの美術の映像授業やチベット亡命政府での地域支援、ケニアで手洗い装置の開発など。Co-media、調布経済新聞、Yahoo!ニュースなどのメディアに掲載。
現在は大手人材会社の企画職として働きながら、副業でNPO法人コンフロントワールドの副代表を務める。

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インタビューに答える荒井

――特定非営利活動法人コンフロントワールドの活動に関わることになったきっかけを教えて下さい。

国際協力に足を踏み入れたきっかけは大学1年生の海外への一人旅です。タイ、ラオス、そしてカンボジアに一人で旅行しました。その中でもカンボジアという国は主要なインフラが整備されていなく、それでも人は幸せそうで優しかったのがとても衝撃的で、「この国に対して何かをしたい」という気持ちが芽生えました。

帰国後、カンボジアに対する国際協力の活動を開始しました。具体的には学生団体に所属し、カンボジア農村部の衛生教育などを日本のNPOと連携して行いました。また、大学3年が終わってからの1年間は休学しボランティアしながら世界一周をしていました。具体的に行った活動は、チベット難民へのボランティア、スリランカ孤児院での映像授業、ケニア孤児院での手洗い装置作製、アイスランドの高齢者施設でのボランティア活動などです。

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カンボジアで子供と手洗いをする荒井

コンフロントワールドの活動に関わり始めたきっかけですが、就活が終わった4年生の夏頃、「社会人になったら国際協力に関われなくなってしまうのが嫌だな」と思っていました。そこで、社会人や学生団体を引退した人向けの国際協力に関するイベントの企画・運営を始めました。

そのイベントの一つに、コンフロントワールド代表の原に登壇してもらったのが、この団体の活動と関わり始めた最初のきっかけです。そのイベントでは主に学生向けに、開発コンサルの中でサラリーマンとして国際協力に携わる方と、国際協力の分野で起業する原に、国際協力としてのキャリアを話してもらうというものでした。

このようにイベントを企画する中で自分自身もプレーヤーとして問題を解決する人間になりたいと思い、原とも意気投合する中でコンフロントワールドに参画することを決意しました。

――コンフロントワールドでの仕事内容を教えて下さい。

コンフロントワールドでの仕事内容は、一言で語るのは難しいです。例えば、ホームページの製作からプレスリリースを打つための文章作成、寄付者様の管理や対応、学生スタッフへの指示やディレクション、全体的な経営戦略の考案など、小さなことから大きなことまで、あらゆる業務に関わっています。

活動する時間は平日の仕事が終わってからの時間と休日です。正直大変ですが、本業も副業のコンフロントワールドもやりがいを持って活動しています。

――昨年夏にはウガンダに渡航し、南スーダン難民の支援に携わりました。社会人で本業を持ちながら、副業で国際協力に携わる人は非常に少ないと思います。

私の周り―本業の職場―にも、学生時代に国際協力に携わっていた人たちは一定数います。でも、社会人として働き始めた後は、活動から完全に離れてしまっている人がほとんどです。やはり、社会人になって働き始め、海外に渡航して活動する...というのは、時間的な制約からも、壁があるなというのは正直に感じていますね。

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ウガンダ北部では南スーダン難民によるサッカーチーム設立支援プロジェクトに携わっていた

社会人一年目のサラリーマンの中で、有給を取り難民のサッカーチームを創った人は日本中探しても私だけしかいないでしょう(笑)。それが凄いとかではなく、そんなことあり得ないと思う人が大勢いるという現状です。

――実際、アフリカへの渡航は大変ではありませんでしたか?

私は職場の理解があったので、有給を長めに取ることができたし、アフリカに滞在するということに対してそこまで反対はされませんでした。職場の上司や同僚に助けられた結果です。むしろ応援してもらっています。

でも、やはり様々な問題もあります。「海外に行く」ではなく、「NPOに関わる」ということだけだとしても、社会人として働いていると、その活動に割ける時間や気持ちは少なくなってしまうのが現状だろうなと感じています。

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南スーダン難民の子どもたち
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実際に私も残業して帰った後、団体の予算管理を行ったり、寄付者に向けてお礼のメッセージを送ったりなど、やってみると大変です。心が折れそうになります。それでもアフリカに行き、難民の方と共にプロジェクトを行うことは最高に楽しいですし、日々の活動がそこに繋がっているんだと思うとワクワクします。

――今後、コンフロントワールドとはどのように関わっていきたいですか?

本業の会社でやりたいと思っていることはあるため、そもそもの前提として、そこでの仕事を疎かにはしたくないという気持ちがあります。ただ、平日の仕事が終わった時間、休日で、コンフロントワールドの理事として、副業として、国際協力に携わり続けたいと考えています。

「副業で国際協力」という生き方をしている人って、とても少ない。私の周りにもほとんどいないですね。ただ、社会人になっても国際協力に携わりたいという人はたくさんいると思うので、私が「副業×国際協力」のロールモデルとなる、そんな想いで活動していきます。

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コンフロントワールドの活動報告会で登壇する荒井

――国際協力の活動に携わりたいと考えている社会人や、サークルや学生団体で国際協力に携わっていた就活生に対して、最後にメッセージをお願いします。

「国際協力に携わる」というのは、「ハードルが高い」という印象があると思います。ただ、就活生は「学生時代に携わっていた国際協力を本業にする」という選択肢以外にも、「本業で何か別の仕事をしながら、副業で国際協力に携わる」という選択肢もあるということを認識してほしいです。例えば、プロボノとして関わったり、週末だけボランティアで手伝ったり、NPO法人の設立に参画したり。思っている以上にやり方はたくさんあるので、「副業として国際協力に携わることも可能だ」と理解した上で、就職活動に臨んでもらえたらと思います。

社会人としてすでに働いていて、国際協力に携わりたいと考えている人は、時間的にも体力的にも難しいと思っている人がたくさんいるはずです。それでも、一歩踏み出して、少しずつでも構わないので、私のように副業で国際協力に携わる生き方・働き方をする人が増えてほしいと強く願っております。

やり方が分からない人はぜひコンフロントワールドの仲間として世界を変えていきましょう。いつでも連絡お待ちしております。

――ありがとうございました。

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南スーダン難民居住区での原と荒井
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特定非営利活動法人コンフロントワールドの社会人スタッフ募集はこちらのページをご覧ください。

記事執筆者:原貫太(NPO法人コンフロントワールド代表)

オフィシャルブログ:http://www.kantahara.com/
Twitter:http://twitter.com/kantahara
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