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2015年01月12日 12時38分 JST | 更新 2015年03月11日 18時12分 JST

[世界の食卓を実際に訪ねてみた vol.11 メキシコ編]サボテンからグラスホッパーまで?既視感のないメキシコの家庭料理!DIYで建て直したビルに住む陽気な家族。|KitchHike

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●住所/メキシコ・メキシコシティ

●家族/父(36歳)、母(32歳)、娘(1歳)

●住まい/RC造4階建て一軒家6LDK+屋上ウッドデッキ&ペントハウス

●キッチン/ガス

●得意料理/タコス

●今日のメニュー/白身魚とズッキーニのグリル、豚の揚げ皮とサボテンの煮込み、アボカドディップ、トルティーヤ、チリ

●コメント/宗教?無宗教だよ。強いて言うなら、奥さんに従っているよね!

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こんにちわ、KitchHike/食卓探検家の山本です。

前回のサンフランシスコ編から、南に下り、飛び込んだのは中米メキシコの首都メキシコシティ!ついにスペイン語圏へ突入。治安が悪いともっぱらの評判ですが、実際のところはどうなのか。そんな時はまず行って確かめてみるのが吉。

「事件に巻き込まれる前に家に上がり込んで一緒にゴハンを食べて仲良くなってしまおう!」大作戦です。胃袋外交こそ、世界をつなぐ。ゴハンは、平和のきっかけです。

メキシコシティってどんな街?

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人口2,000万人を越える世界的な大都市であるメキシコシティ。あれれ?東京よりも人が多いなんて知らなかった!シティの中心となるのは、ソカロ地区の中央広場。写真のメトロポリタン・カテドラルをはじめ、世界遺産が散在します。

実は、このメキシコシティの地下には、もうひとつの文明が埋まっています。16世紀にスペイン人がその全てを破壊したと言われるアステカ文明です。250年をかけて作られたこの立派な大聖堂メトロポリタン・カテドラルの地下にもアステカ文明の遺構が残されているのだとか。

中南米の古代文明やインディオを徹底的に排除して、コロニアル建築を建てまくり、スペイン語で統治をした当時のスペイン、めちゃくちゃ強かったのでしょう。無敵艦隊と呼ばれていたのも頷けますね。

メキシコシティのド真ん中。古いビルをDIYでリノベーションした家。

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今回訪ねたのは、メキシコシティのド真ん中、自分たちでリノベーションしたビルに住むアブラハムさん一家。スペイン人の奥さんと1歳になる娘さんと3人で暮らしています。

メキシコシティの国立大学でプロダクトデザインを学んだアブラハムさんは、とにかく何でも自分で作っちゃうようで。廃屋同然だったこの建物を買って、コツコツ自分で修復したそう。

なんとも気持ちがいいのは、吹き抜けのダイニングと屋上!青く塗られた壁、モサモサと茂る緑、ハンモック。天気がよければ、早朝から一日中屋上で過ごせそう。家は、まさに今も建て増し中で、屋上に秘密基地となる小屋を建設中でした。う〜む、遊び心は大切ですね!

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陽気に踊るガイコツがトレードマークの国、メキシコ。その死生観や生きる哲学に、悲しさや暗さはありません。死者の日である11月1日は、祝祭と称してお墓を派手に飾り、仲間とともにお酒を飲んでバカ騒ぎをするんだとか。

印象的だったのは、玄関で迎えてもらった出会い頭。明るく笑いながら、「メキシコの宗教って多くはカソリックなんだけど、なんか懺悔の時に鞭で叩かれそうで痛そうじゃない?痛いのはいやだよね〜!」と、どこまで本気で言っているのか。

カソリックじゃないの?と聞くと、「僕は一応カソリックでやってるけど、まぁ実際は無宗教なんだよね。いや、強いて言うなら奥さんに従っているから、奥さん教だね!」ととにかく楽しそうだ。出会って30秒で、メキシコの死生観や生きる哲学に触れられた気がして嬉しくなるのです。

活気あふれる地元の市場。眩しい原色の食材たち。

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表を少し歩くだけで、夏の陽射しが肌を差すよう。メキシコの太陽は、絵に描いたように陽気!買い物に連れてきてくれた地元の市場には、トゲを抜いた食用サボテン、まるごと揚げた豚の皮、焼きたてのトルティーヤ、数え切れない種類のチリなど、眩しい原色の食材が所狭しと並びます。

「カックトゥース(サボテン)、食べたことないでしょ?」と、ニヤッと微笑みかけてくるアブラハムさん。上がった口角に、料理の自信を匂わせます。

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入り組んだ市場には数えきれないほど小さなお店がたくさんありました。肉屋、八百屋、魚屋、パン屋、スパイスや唐辛子のお店などさまざま。

世界一辛い唐辛子のひとつに数えられるメキシコ産のハバネロが、そこかしこに鎮座して売られています。ハバネロの「いや、僕言うほど辛くないっすよ。だから食べてみてよ。」と悪い顔で語りかけてきそうな佇まいに笑ってしまいます。

印象に残ったのは、どの店主の眼も奥が深かったこと。まるで魂の強さが伝わってくるよう。既視感のない光景と、街中がバッチリ目を開けて生きてる雰囲気に、もうクラクラです。

調理スタート!料理学校も通っていた腕前を披露。

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使いやすくオーガナイズされたキッチン。整理整頓されて、普段使いしている感じが漂っています。台所が毎日使われているかどうかが、雰囲気でわかってしまうから不思議なもんです。

包丁使いもさながら、料理を作りながら、同時に片付けながら、子供と遊びながらのマルチクッキング。大学卒業後、料理学校に通っていただけあって、キッチンの立ち姿が板についています。あぁ、できる男感が半端ない。軽く嫉妬を覚えます。

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メキシコの男はよく料理するの?と聞くと、「いや〜、あんまりしないんじゃないかな?僕はただ作るのが好きなんだ。ウチに辿り着いた君はラッキーだね!ははは!」と笑うアブラハムさん。

調理を始めたパパを見て、なにやら得意げな娘さん。自慢のパパなんでしょう。嬉しそうです。奥さんに聞いたところ、この娘さん、10ヶ月経ってもなかなか生まれず、最終的には12ヶ月後に5kg近い状態で生まれた赤ちゃんだったそうな。よっぽどお腹の中の居心地が良かったんでしょうね。

まずは一品目。アボカドディップの上に乗っているのは、、、

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まず、アボカドの切り方が天才的。先に皮をむくのではなく、中身の種までナイフを当てて、ぐるっと一周。真っ二つにした後、種にナイフを刺してポコっと取ります。その間、わずか5秒。

スプーンで身をすくった後は、ライムをたっぷり絞り、刻んだ玉ねぎ、塩を入れてペースト状に。仕上げにまぶしたのは、なんとグラスホッパー。そう、バッタです。しかも酸っぱい!

バッタの漬け物とでも言いますか、アボカドと一緒に食べると、ビールにもテキーラにもぴったりのおつまみなんです。慣れてしまえば、バクバク食べられるクセになるおいしさ!

二品目は、サボテンと揚げた豚の皮の煮込み。

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千切りにしたサボテンを湯がいて、砕いた豚の皮と一緒にに煮込んでいきます。揚げた豚の皮が余っていたので、興味本位にアブラハムさんに隠れてコソコソ食べてみると、予想以上においしい!

ほどよい塩気がたまりません。そのままでもお酒にぴったり。軽い口当たりとノド越しのコロナビールと相性抜群。旅の途中でイイおつまみに出会う度、お酒ありきで料理は発明されたんじゃないかと、いつも思うのです。

メインディッシュは、白身魚のムニエル。

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最後に用意するのは、メインディッシュのムニエル!ズッキーニ、にんじん、インゲンをオレガノやハーブと一緒にオリーブオイルで柔らかくなるまで炒めます。アルミホイルに白身魚とエビを置き、塩コショウをして、その上に炒めたズッキーニたちをドサッと!あとは、オーブンでグリルするだけ。

これでおいしくないわけない!蒸焼きされる白身魚とオレガノのいい香りが、キッチンを包み込みます。あぁ、もう我慢できない。3品とも圧巻の仕上がり。アブラハムさん、完全にプロの所業です。もう弟子にしてほしい。

いよいよ完成!メキシコの家庭料理を食べちゃいます。

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吹き抜けになったダイニングのテーブルに並べた料理の美しいこと。食事に色は大事だよね、と料理が映える紫色のお皿を選んでくれました。料理は目でも食べているのです。それでは、いよいよいただきます!食べる前からおいしいことが確定しているこの安心感。

付け合わせは、トウモロコシ粉で作ったトルティーヤとチリ。サボテンと揚げた豚皮の煮込みをトルティーヤに包んでパクリ。うむ、美味い!!!

ところどころ顔を出すみじん切りのチリ。あとから脳と舌にガツンと来るこの辛さがたまりません。ムニエルのグリル具合も最高。辛くてももっと食べたくなる、これぞメキシコの家庭料理。生活に溶け込んでいる食べ物は、いつだってお腹いっぱいまで食べられます。

目の前のことを楽しくやって、今を幸せに過ごす暮らし。

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食べながら奥さんも一緒にいろいろと話を聞きました。娘が生まれてからはフリーランスになって、家で仕事をしているそう。なるべく一緒にいてあげたいし、その方が3人とも安心できるからねとアブラハムさん。奥さんは女性の権利を守るNPOを運営しているとのこと。

人に頼まれれば何でも作るというスタンスで、近所の人の家を直しに行ったり、奥さんのNPOのWEBサイトを作ったり、友達とチームを組んでプロダクトデザインをしています。身近な人に必要とされること、自分がやりたいことを仕事にして、家族みんなが一緒のペースで生活しているこの感じ、とても素敵に思えました。

確かにマフィア関連のニュースは多いけど、ほとんどの人は僕らのようにこうして平和に過ごしているから、メキシコシティを危ないとか怖いとか思わないで欲しい、とアブラハムさん。確かに近所の人も皆優しくて、それこそ踊るガイコツを体現するような愉快なおじさんも多い。

初のスペイン語圏でしかも治安が悪いと評判のメキシコシティで緊張していたけれど、拍子抜けするくらいメキシコの虜になってしまった。生と死を隣り合わせに考えているからこそ、陽気に明るく生きる大切さを知っているのかもしれない。

人として、男として、尊敬できる人に出会えて、お腹いっぱい胸いっぱいになったメキシコシティの食卓。いつかまた必ずおじゃましたいと思ったのでした。KitchHikeの旅は続きます!

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(2014年11月26日「KitchHike マガジン」より転載)