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2018年05月08日 12時04分 JST | 更新 2018年05月08日 15時54分 JST

【 #新卒リアル 】新人賞を目指した1年間と、これからのこと。

「わたし、新人賞がとりたいです」

眩しいライト。数千人の社員が敷き詰められた会場。BGMに選んだ自分のテーマ曲が、大きな会場に響き渡る。その一点だけに集められた視線の中、ランウェイの上を少し緊張しながら歩く。

今日は、会社の新人賞が発表される日。同期の中で、一番いい取り組みをした人におくられる賞だ。1年前、わたしは今日絶対にこの場に立つんだと、強く決意した。

新人賞を取ると決めた日

1年前。入社してすぐのこと。上司に「自分にキャップをはめるのがうまいよね」と言われた。


「ああ、そうだ」とすぐ納得した。人から言われたこと、与えられたことは、どこが「相手の期待値」「ゴール」かをできるだけ早く見定めて、自分の着地はその線のちょっと上くらいに合わせてしまう癖がある。

「わたし、新人賞がとりたいです。」

口からぽろっと出た言葉だった。目標を口にしないといけないときは、できるかできないか考えるよりも先に、気合いで大きな目標値を伝えてしまう。


一番がほしいわけじゃない。渇望しているかといと、そうじゃない。

だけど、今までキャップをはめて、それっぽくこなして、できるだけ楽しようと生きてきた、そんな自分でいいのかな?って思った。できていない部分があるなら、挑戦したいと思った。

突き抜けている人になってみたい、達成感を味わってみたい。そう思ったのは嘘じゃない。

「新人賞をとりたい」と口にしてからは、本当にしんどかった。1番になりたいわけじゃない。けど、一番を取れる自分になってみたいと思っているのは事実。


新人賞を取り下げたほうが楽になるんだろうなと心のどこかで思っていても、一度掲げたものを取り下げることは逃げになると思うと、途中で諦められなかった。

もういいかなあって、何度も思った。だけど成長って言葉が邪魔をする。苦手なことや、できないことを克服することが強さだと思ってたし、泣くことが努力で、痛むことが成長だと、本気で思ってた。


幸せになる方を選べって周りは言うけど、選ぶ時にはまだ分からなくて。途中で投げ捨てたことが今までないし、最後には「続けてよかった」って言ってきた自分も知ってる。なんだかんだ、最後はやり遂げてきたっていう自信もあった。だから、頑張ると逃げるの境目がどこか、わたしには分からなかった。

結局、最後までわたしは「新人賞をとる」という目標を取り下げなかったし、周りに何度「本当にとりたいの?」って聞かれても、「取りたいか、取りたくないかじゃない。わたしはとるんだ」と言い続けた。

目指した先にあったもの

入社してちょうど1年。新人賞発表の日。ついに、この日がやってきた。


自分のグループ名が大きな会場の隅々に行き届く。大きな歓声と、どよめく声が、混ざり合う。

「新人賞はーーーーーーーー、○○さんです。」

わたしは、観客席にいた。新人賞をとったのは、同じグループで一緒に頑張ってきた、同期の女の子だった。

わたしは、新人賞を取ることができなかった。そもそも、新人賞をいただく以前に、営業目標も達成できずに、1年を終えた。

だれもわたしのことなんて気にしてないのに、周りの人が哀れむような目でわたしを見ている気がした。だから、キラキラした新人賞の彼女を見る強さなんてないくせに、下を向いているともっと可哀想な子になると思って、スカートを握りしめて、顔だけは前を向けて、違う方を見つめた。

早くこの瞬間が終わってほしいと願えば願うだけ、彼女がステージを歩く時間が長く感じる。新人賞をとりたいなんて公言していた自分がひどく恥ずかしくなった。

言うだけ言って、結局なにも行動したり頑張れなかった自分を、ぐちゃぐちゃにしたかった。

だれかに何か言われるともう立ち直れない気がして、自分から先に、「ちゃんと分かってるから」って、言っておきたかった。

「だからほら、頑張りたくなかったんだ」何度もそう言ってしまう。

一生懸命頑張ったのにできなかったり、失敗するくらいなら、 始めからやらない方がいいやって思う。頑張りたいと思った気持ちをなかったことにすればいいや、本気じゃなかったことにすればいいやって、今でも思う。

頑張ろうとするから、傷つくし、凹む。


遅刻したくないと、なんとかホームに駆け込んだ日には電車が遅延して、今日は気合をいれるぞって髪をセットした日には雨が降るように。頑張ろうとすると、いつも"バチ"があたる。


だけど、間に合いたいと思うからそれは、電車"遅延"になるし、ちゃんと家の外に出たから、雨にも気づくことができる。頑張ろうとしないと、見つけられないこともある。嫌なことにぶつかるのは、わたしが頑張ろうと動いてた証拠。

わたしはきっと、がんばった。

それが新人賞に見合うがんばるじゃなかったかもしれないけど、口に出して、向き合って、最後はとれない自分も認められた。わたしなりに、ちゃんとがんばった。


「がんばれなかった」って言っているうちは、たぶん次に進めない気がする。頑張らなかったんじゃなくて、わたしはちゃんと頑張ったけど、頑張った結果、取れなかった。そしてそれがすごく悔しかった。

それでいいのかもしれない。

2年目のわたしと、これからのこと

わたしは、2年目を迎えた。賞が重要じゃないのはよくわかってる。

ちゃんとクライアントさんの役に立って、そのあとに賞がついてくるんだよってことも、耳が痛くなるほど聞いてきた。


同期にも、「社内に目を向けていると潰れちゃうから、社外に目を向けよ。クライアントさんの方を向いて、そのときそのとき、ちゃんと役に立つことをひたすらやり続けようね。」って教えてもらった。


だけど、賞が取れなかったままで終わるのは、やっぱりなんだかできなかったことを放置してしまうみたいで嫌だなと思う、学習しない自分もいる。

これからなにを目標に、どう頑張っていくのかはまだ見えない。


「やりたいこと」よりも「ありたい姿」が大きくて、それが別に「仕事」という軸以外で叶えられてしまうわたしは、「仕事」を自分の中でどう位置付けて、どう取り込んでいけばいいのか、正直まだわからない。

だけど、こんなにもまだなにもできないちっぽけなわたしに、いつだって大きな期待をしてくださるクライアントさんや、どんな状況でも絶対に見捨てず、背中を押し続けてくれる会社の人たちがいるから、もう一度、一から目の前のことに一生懸命になってみようかなあと思ってる。

わたしの #新卒リアル

今までは、終わりとゴールがいつも用意されてた。高校受験、大学受験、就職活動。これまでの人生は、終わりに向けて、自分なりに登り方だけ考えればよかった。


やりたいことがなくたって、次に進むべきところは決められていたから、そんなに不安になったり焦ることもなかった。だけど社会人になって、急に、残り約40年という長いスパンの期間が始まった。自分で区切りや目標ラインを決めるのは、よく考えると初めてで、どうしていいのかわからない。

毎日何気なく過ぎてくことに、このままでいいのかな?って不安になるけど、会社を辞めてまで成し遂げたいこともない。社会人の大半は、仕事を"こなしてる"人がほとんどだよってことを聞くと、わたしは意識は高いけど、視座が低い中途半端な人間なのかなって思って落ち込む。

働いて、家にかえって携帯を見つめる間に日付が変わって、あと5分って朝を粘って。大体はみんなそうで、そんな毎日を不安に思う自分は、自分を特別な存在だと、思いすぎてるのかもしれないなあとも思う。

そんな中、わたしの1年目は、新人賞というよく分からないものを目指し続けて、頑張ってきた。

なにが正解だったかも分からないし、正解なんてないのかもしれないけど、1年間向き合い続けたという事実はちゃんと残しておきたいと思った。


今後この1年のことを、そんなこともあったね、なんて笑っている日があっという間にくるんだろうから、もう少し探りながら進んでみようと思う。

第1話 【 #新卒リアル 】今日もがんばる、1年目のわたしに。

第2話 【 #新卒リアル 】わたしは今日も、会社に行きたくない。