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2018年12月03日 10時49分 JST | 更新 2018年12月04日 15時56分 JST

大学院生だと言うと、主婦と呼ばれる。

モヤモヤが止まらない。

(写真はイメージ)
Ravsky via Getty Images
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日曜日は夫がカレーライスを作ってくれた。たまねぎ2つをザク切りにしてしんなり炒めたものと、プリプリの肉を使った、すごく美味しいやつ。ちなみに米はいつも土鍋で炊いてくれて、とにかくうまい。

うちでは夫が料理担当で、買い物にも行ってくれる。私より上手なので、私も喜んで任せて有り難くいただく。LINEには夫が作った手料理写真アルバムがあって、そこに毎回私はアップして夫飯のコレクションをしている。

そんな生活をおくっている私だけど、最近気になることがある。外で自己紹介をすると、「主婦」と呼ばれるようになった。 私はずっと「大学院生」に憧れていて、やっとなれたと思ったら既婚者になった途端、呼ばれ方が変わって衝撃を受けている。私自身がやってることは前後でほとんど変わっていないのになんでだろう。

たとえば美容院や病院に行って世間話が始まると、まず職業を聞かれる。私は現在フルタイムの学生として、2年間の大学院コース(文系)に通っている。だから、「仕事を辞めて、今は大学院生をしているんです」という自己紹介をすると、「主婦をされてるんですね」「家事をしながら勉強もされているなんて偉いですね!」という反応をされる。突如、家事がメインの仕事になる。だがしかし、私はそんなにフルコミットで家事をしていないので、なんだか居心地が悪い。

私は先日、勉強机に向かって同じ姿勢をし続けて、肩の痛みに我慢ができなくなって整体に行った。そうしたらそこのスタッフさんから、「主婦の方は家事とかやって大変ですから、肩もこりますよね」と言われて、「そうじゃないんです......!」と思いつつも、詳しく説明する時間もなかったので、そのままスルーしてしまった。

最近そういう場面に出くわすたびに、疑問が湧いてくる。大学生のときは、「大学生です」という自己紹介に対して「大学生なんですね」という返しで終わったのに、結婚しているという条件が加わると、「大学院生です」と言ったときに「主婦なんですね」という返しをされる。そのことがすごく不思議だ。30代の既婚女性が仕事をしていなかったら、イコール主婦なのだろうか。ちなみに知り合いの男性で私と同様に会社を辞めて大学院に通っている人がいるけれど、彼が自己紹介をしたときに「主夫なんですね」と言われるイメージはまったく沸かない。

そしたら、この記事を読んだ知人から以下のコメントをもらって、自分の疑問が少し言語化された気分になった。

たぶんこれって2つの偏見?価値観が渾然一体になってますよね。

ひとつは「仕事とは24時間フルコミットするものである。そうでなくてはプロとは言えない」という"職業観"

もうひとつは「結婚したら女性は家計の責任を負う立場になく、仕事や学業は余技(アマチュア、趣味)である」という"ジェンダー観'

結婚したら家庭を最優先すべき、は"職業観"を既婚女性の家事労働に適用したものだと思います。

また、妻が働いている男性が仕事から離れた場合も、「ヨメさんに食わしてもらってんのか」「いいご身分だな」「ヒモか!」等々の侮蔑的な言葉を受けそうです

女性に対するジェンダー観だけではなく、「男性が稼いで家庭を支えるべき」というジェンダー観も見えてきて興味深い。そういえば、日本人以外の人から「ハウスワイフなんだね!」と言われたことは一度もない。先週出会った韓国人やシンガポール人の女性に「今は大学院生をしてるんだ」と言ったら、「学ぶことって素晴らしいと思う!」「その知識を活かして、これから色んなことができるね!」という反応をしてくれた。私はとても嬉しかった。「学び直すこと」「大人が学校に再入学すること」に対する受け止め方は、国によっても違いそうだ。

世の中では家事をする人、イコール主婦という図式になるのかもしれないが、うちは前述のように夫がかなり家事をしてくれている。洗濯だってふたりで干すし、私が気づいていないことも勝手にやってくれている。果たして私は主婦なのか!? とそういう意味でも疑問が湧く。私は胸を持って「主婦をやっています」と言える自信がない。もし言うんだったら、自信を持って言えるくらいやってみる所存だ。それにしても、今の家事タスク量で私が主婦だったら、夫も同じく主夫なんだけどな。

モヤモヤが止まらない。

(11月27日掲載のnote「大学院生だと言うと、主婦と呼ばれる。」より転載)