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2018年08月01日 10時36分 JST | 更新 2018年08月01日 10時36分 JST

心不全パンデミックに立ち向かうために−神奈川県横須賀市の地域医療連携

メディカルノートでも神奈川県横須賀市の取り組みについてレポートさせていただいております。

・心臓疾患への治療の進歩

近年、虚血性心疾患、弁膜症や先天性心疾患など心臓疾患への治療は目覚ましい進歩を遂げています。かつては致死的であった心筋梗塞でさえも、早期の介入が実現できれば治療可能な病気になりつつあります。このような心臓疾患への治療の進歩に日本は大きな貢献をしてきました。

さまざまな心臓疾患が治療できるようになり、心臓の病気を持った患者さんでも普通の生活を享受できるようになりつつある中、次の課題として挙げられるのが「心不全パンデミック」です。「心不全とは、心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気です」と日本循環器学会、日本心不全学会により定義されています。この心不全の入院患者数は年々増加の一途をたどっているのです。

参考:一般社団法人日本循環器学会 http://www.j-circ.or.jp/five_year/teigi.htm

・心不全パンデミックとは

このように、心不全への医療ニーズが爆発的に増えることが「心不全パンデミック」と言われています。日本循環器学会の「2016年循環器疾患診療実態調査報告」によれば、心不全として入院した患者さんの総数は2013年で16万1721人であったものが2016年には20万5181人に達しています。心不全による入院患者さんは年々増加しているのです。日本における心不全患者数を予測した研究では2035年には130万人にまで増加してピークを迎えるとされています。日本各地で心不全パンデミックへの対策が必要とされています。

参考:「心不全パンデミック」を知るサイト http://pandemic.medicalnote.co.jp/

・神奈川県横須賀市における心不全パンデミックへの対策

心不全への医療ニーズを満たすためには入院医療だけで対処することは困難であるとされています。そのような中、医師会や病院が連携を深め、地域全体としてこの心不全パンデミックに立ち向かっているのが神奈川県横須賀市です。横須賀市立うわまち病院では「心不全パンデミックと闘う地域医療ネットワーク」を形成し、包括的心不全センターを立ち上げて横須賀市医師会やかかりつけ医と救急の受け入れにはじまり心不全の緩和ケアに対しても連携を行っています。メディカルノートでも神奈川県横須賀市の取り組みについてレポートさせていただいております。

参考:メディカルノートニュース https://medicalnote.jp/contents/180402-001-XM

【執筆/インタビュー】

井上祥(メディカルノート共同創業者・取締役/医師・医学博士)

2009年横浜市立大学医学部卒。横浜労災病院初期研修医を経て2011年より横浜市立大学大学院医学教育学・消化器内科学、2015年3月医学博士(甲号)を取得。医師として多数のベストセラー医療書籍を執筆し、在学中よりメディカルノートを創業。一般生活者の医療リテラシー向上を理念に医療情報サイト「メディカルノート」を2015年3月に立ち上げ。2008年北京頭脳オリンピック"WMSG"チェス日本代表。日本オリンピック委員会中央競技団体ドクターとして2013年仁川アジア大会チェス日本代表のアンチ・ドーピングを担当。東京都医学総合研究所客員研究員。