がん細胞で起こる上皮間葉転換(EMT)という過程は、転移に関係するとされているが、いまだ議論がある。
EMTの判定は、上皮系マーカーと間葉系マーカーの発現に基づいてなされている。
今回C Blanpainたちは、マウスの腫瘍細胞で多数の細胞表面マーカーのスクリーニングを行い、EMTはいくつかの移行状態を経て起こり、それぞれの状態に特異的なマーカーが関連することを明らかにしている。
興味深いことに、最も間葉系に近い腫瘍細胞の亜集団が、最も高い転移能を持つわけではなく、高い転移能は移行のより初期の状態にある集団に特徴的であった。
これらの知見は、転移のプログレッションの基盤となる細胞の可塑性について、新たな手掛かりとなる。
Nature556, 7702
原著論文:
Advertisement
:10.1038/s41586-018-0040-3
【関連記事】