片頭痛に関係するCGRP受容体の構造がついに明らかになった

この研究は、このような受容体複合体を治療のために標的とすることについて、解明をさらに進めるものだ。

カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体は、CLR(calcitonin receptor-like receptor)とRAMP1(receptor activity-modifying protein 1)からなる二量体である。CGRPは強力な血管拡張性神経ペプチドであって、片頭痛に関係している。CGRP受容体複合体を標的として片頭痛を防止する最初の抗体薬が最近承認された。今回の研究でP Sextonたちは、クラスBに属するこのGPCRと、RAMP1との複合体について、Gタンパク質ヘテロ三量体と複合体を形成した状態のボルタ位相板クライオ(極低温)電子顕微鏡構造を報告している。この構造は、分子動力学シミュレーションの結果と共に、RAMPがCLRを安定化させてペプチド結合とシグナル伝達を行う仕組みについての知見と、GPCR機能の制御におけるRAMPのアロステリックな役割の詳細を明らかにしている。RAMP類は、CLRだけでなく、他の複数種のGPCRも修飾して一連の受容体表現系を生じさせる。従ってこの研究は、このような受容体複合体を治療のために標的とすることについて、解明をさらに進めるものだ。

Nature561, 7724

原著論文:

doi: 10.1038/s41586-018-0535-y

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