キメラ膵島でマウスの糖尿病を抑える

中内啓光たちは今回、膵島細胞の移植の代わりに、膵臓を作り出せないラットの胚にマウスの多能性幹細胞を注入した。

左から順に、ラットとマウスのキメラ、野生型のWistarラット、野生型のC57BL6マウス。キメラはマウスの誘導多能性幹細胞をラット胚に注入して作製した。

Credit: Tomoyuki Yamaguchi

糖尿病は、インスリンの送達が不十分な症例では、膵島細胞の移植によって治療できる。しかし、この手法は適合するドナー組織が利用できるかどうかにかかっている。

中内啓光(東京大学および米国スタンフォード大学)たちは今回、膵島細胞の移植の代わりに、膵臓を作り出せないラットの胚にマウスの多能性幹細胞を注入した。

このマウス多能性幹細胞から発生した膵島を単離して、糖尿病マウスに移植すると、マウスの血糖値を正常化することができた。

Nature542, 7640

2017年2月9日

doi:10.1038/nature21070

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