今回、審良静男(大阪大学)たちは、これまで知られていなかった単球と顆粒球の性質を併せ持つ新たな種類の細胞が、マウスのブレオマイシン誘発性肺線維症(最も一般的に用いられるヒトの肺繊維症の実験的研究モデル)の発症に重要であることを突き止めた。
この細胞は、SatM(segregated-nucleus-containing atypical monocyte)と名付けられ、転写因子C/EBPβの制御下で運命拘束された前駆細胞から分化する。
対応する「疾患特異的な単球/マクロファージサブタイプ」が特定の疾患ごとに存在することが他の研究グループから報告されており、著者たちは、SatMなどのこうしたサブタイプが、非常に特異的の高い治療標的として研究される可能性があると推測している。
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Nature541, 7635
2017年1月5日
原著論文:
doi:10.1038/nature20611
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