選択的メタン酸化の機構

E Solomonたちは、酵素研究でよく使われている磁気円二色性測定を用いて、不均一触媒のα- Fe(II)活性部位と反応中間体の構造を明らかにできることを実証している。

鉄含有ゼオライトにはメタンをメタノールに変換する並外れた能力があるが、活性部位を調べることが難しいため、この変換反応に関与する機構はよく分かっていない。

今回E Solomonたちは、酵素研究でよく使われている磁気円二色性測定を用いて、こうした不均一触媒のα- Fe(II)活性部位と反応中間体の構造を明らかにできることを実証している。

メタンをメタノールに変換する高効率過程は、研究や産業の分野で幅広く応用できると思われる。今回研究対象となった触媒は、メタノールをさらに酸化してしまうため実用性は低いが、この系の並外れた反応性はゼオライト格子によって強いられる束縛された配位構造に由来することがデータによって示された。

従って、この知見から、他の不均一触媒の活性を調節する有用な手段が得られる可能性がある。

Nature536, 7616

2016年8月18日

doi:10.1038/nature19059

【関連記事】

注目記事