ニューロンを作ってストレスと戦う

神経新生を介した腹側歯状回の活動抑制が、対ストレス脆弱性の個体差を決める因子の1つである可能性を示唆している。
kh_art via Getty Images

齧歯類において、成体海馬歯状回での神経新生は、ストレスや抗うつ剤への行動応答と関連付けられている。

R Henたちは今回、気分調節に関連するとされる脳領域である腹側歯状回で、神経新生が、成熟した顆粒細胞の活動を抑制することを示している。

神経新生を増加させると、慢性ストレスに対するレジリアンス(回復力)が付与され、攻撃を受けている最中や不安を生じさせる環境中を探索している際など、ストレスの多い状況下で選択的に活動が増すニューロンの活動が低下した。

今回の結果は、神経新生を介した腹側歯状回の活動抑制が、対ストレス脆弱性の個体差を決める因子の1つである可能性を示唆している。

Nature559, 7712

原著論文:

doi: 10.1038/s41586-018-0262-4

【関連記事】

Nature558, 7711

Nature558, 7710

Nature558, 7709

Nature558, 7708

Nature557, 7707

注目記事