ペルチェ効果は、工学的用途において、電流を用いて加熱や冷却を行える一般的な手段である。
通常この効果を利用するには、ペルチェ係数(電流によってどの程度の熱が運ばれるかを示す尺度)が異なる2種類の伝導性物質を接合する必要がある。
今回、内田健一(物質・材料研究機構ほか)たちは、接合のない単一物質(ニッケル)において従来のペルチェ効果に似た効果を観測したことを報告している。
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この成果のカギは、一部の磁性物質ではペルチェ係数が磁化方向に対する電流の相対的な方向に依存することに気付いたことである。
角を曲がるように電流を流すといった単純な方法で物質中の電流の方向を変えることができれば、ペルチェ係数も変化し、正味の効果が従来の接合型ペルチェヒートポンプの効果と同等になる。
この手法は単純な物質を使うため、チップスケールの熱管理システムの開発に役立つ可能性がある。
Nature 558, 7708
原著論文:
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doi: 10.1038/s41586-018-0143-x
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