白血病は、しばしば脳へ浸潤する。D Sipkinsたちは今回、白血病細胞が中枢神経系へ移動するのに使う新たな経路を発見した。
急性リンパ芽球性白血病細胞は、脊髄や頭蓋冠の骨髄とクモ膜下腔の間を走る血管に沿って移動する。これには、急性リンパ芽球性白血病細胞で発現するインテグリン群を介した、がん細胞とこれらの血管の基底膜との接触が関与している。
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この相互作用に干渉すると、脳への浸潤が減少した。従って、がん細胞は、神経細胞の移動経路探索に使われる経路を勝手に使っているのである。
以上のことから、今回の結果は、新たな治療の機会の可能性を示している。
Nature560, 7716
doi: 10.1038/s41586-018-0342-5
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