タンポポの飛行

まるで自前の熱気球を作り出したかのように種子を浮遊させていることを明らかにした。

タンポポの種子のマイクロCTスキャン画像(灰色に着色)。

Credit: Madeleine Seale, Alice Macente

タンポポの種子は、冠毛と呼ばれる構造体につるされて空中を浮遊する。冠毛とは、毛状の突起が放射状に広がったもので、煙突掃除のブラシを小さくしたような外観をしている。飛行には、風を通さないパラシュートのような構造体の方が適しているように思われるが、そうでないのはどうしてなのか。中山尚美(英国エディンバラ大学)たちは今回、冠毛がその間隙率のおかげでタバコの煙の輪に似た環状の空気の渦(渦輪)を伴い、これによって、まるで自前の熱気球を作り出したかのように種子を浮遊させていることを明らかにした。この渦輪は、生物が空中に浮遊し続けるために用いている巧妙な仕掛けの数々に加わる、全く新しいタイプの機構と考えられる。

Nature562, 7727

原著論文:

doi: 10.1038/s41586-018-0604-2

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