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脂肪中の制御性T細胞のインスリン抵抗性における有害な役割

R Evansたちは、脂肪常在性制御性T細胞(fTreg細胞)が脂肪組織に蓄積するのは老化の作用であって、肥満によるものではないことを今回明らかにした。
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老化に伴って生じるインスリン抵抗性(IR)と肥満に伴って生じるIRは、生理学的に異なるタイプの成人発症型糖尿病である。マクロファージが引き起こす炎症が肥満関連型インスリン抵抗性を誘導するが、老化関連型IRの機序は明らかになっていない。

R Evansたちは、脂肪常在性制御性T細胞(fT細胞)が脂肪組織に蓄積するのは老化の作用であって、肥満によるものではないことを今回明らかにした。fT細胞を欠損するマウスは、老化関連型IRが起こりにくくなるが、肥満関連型IRや代謝性疾患に対する感受性は維持される。

抗ST2抗体の投与によってfT細胞の数を減らしてやると、脂肪組織のインスリン感受性が上昇する。この研究の主な目的ではないが、これらの知見は肥満関連型インスリン抵抗性でのfT細胞の役割、つまり抗糖尿病薬チアゾリジンジオン(グリタゾン)の治療作用におけるfT細胞の役割を証拠立てるものではない。

今回の結果は、T細胞が、肥満マウスでのチアゾリジンジオン系薬ピオグリタゾンによるインスリン感受性の回復に有益かつ必要であるという主張とは相反するものだ。

Nature528, 7580

2015年12月3日

原著論文:

doi:10.1038/nature16151

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