「2015年は人類文明の大転換点となった。」 後世の歴史学者は、そう言うかも知れない。
なぜなら、18世紀後半の蒸気機関の発明に端を発する産業革命(化石燃料依存文明の始まり)に匹敵する画期的な国際合意が2件、この年に成立したからである。
つまり、国連による地球社会の「持続可能な開発目標(SDGs)」の採択とCOP21による「パリ協定」(21世紀後半のCO2排出量実質ゼロ目標)である。
現在、人類はグローバル・ローカルに様々な問題・課題を抱えている。しかし、この数年で、その解決に向けて、社会経済の枠組がグローバルに変わり始めていることも事実である。
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それは同時に、今後のビジネスの基本的な枠組の構造的変化をも意味する。SDGs とパリ協定を含む、2010年以降のCSR・CSV・ESGにかかわる国内外の主要な動きを一覧したものが下表である。
これらの動きを俯瞰すれば、次の三つのキーワードに収斂する。
すなわち、社会的課題(の解決)、(社会と企業の)持続可能性、そして(長期的な)企業価値。これらは、いずれも21世紀の地球社会をデザインする基本思想となるが、企業も長期戦略の見直しのために、早く気付くべきである。
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(2016年2月26日「研究員の眼」より転載)
株式会社ニッセイ基礎研究所
保険研究部 上席研究員・ESG研究室長
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