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2014年12月27日 00時36分 JST | 更新 2015年02月24日 19時12分 JST

消費税に事業規模別軽減税率を

時事通信社

安倍総理は、消費税先延ばしを錦の御旗に総選挙で圧勝しました。消費増税延期だけが勝因ではないにせよ、消費税は企業にも消費者にも本当に頭の痛い問題であることは事実です。財政再建のためには消費税の増税は必要ですが、景気に対するネガティブインパクトは予想以上に大きいことも、GDPの落込みによって示されました。

税金は出来るだけシンプルに、そして公平で中立であることが求められています。その意味で、消費税も本来であれば軽減税率などの複雑化を図るべきではないと思います。しかし、主に公明党が主張する生活必需品主体の軽減税率では、富裕層にとって絶対額の恩恵が大きいなど、必ずしも逆進性対策として十分ではありません。また、税率が複数存在することで、小売店など様々な商材を扱う店舗では実務の煩雑さによる事務作業の増大と効率の低下も懸念されています。

そこで私は、消費税に「事業規模別軽減税率」を導入すべきと考えています。資本金や売上高が一定規模未満の会社(小規模事業者)が顧客から徴収する場合の消費税の税率を、本則税率よりも一定程度軽減するというものです。この場合、消費者は小さな規模のお店で購入した方が消費税負担が小さくなるので、出来るだけ小さな事業者から購入しようと考えます。例えば大きなスーパーで野菜を買ったら消費税10%だけれども、小さな八百屋で買ったら8%で済ませられるということです。

中小企業の特例法人税率など、事業規模によって税率が変わる例はあります。しかし、消費税において導入するという案はこれまでどこにおいても議論されていません。従って、まだまだ検証も不十分ではあり、様々な問題が指摘されることと思います。

もっとも、小規模事業者にとっては売上の増大という優遇政策になり、消費者にとっては節税手段が提供されるという現実のメリットは確実です。また、軽減税率の導入による税収の落込みの問題や、対象をどの程度の規模の事業者にするのかという問題も政策判断によって決めることが可能です。

また、消費税については小規模事業者向けに免税制度と簡易課税制度の2つを既に実施しています。従って税務実務的にも会社の事業規模によって異なる税務対応を既に行っているため、事業者によって税率が変わることで運用が困難になるとは思えません。

もちろん問題も生じます。まず容易に想像出来ることは、同じブランドのお店でも税率が異なる場合が生じるということです。特にコンビニなどのフランチャイズビジネスを行っているところでは、同じコンビニであっても、直営店は当然事業規模が大きいので通常税率が課される一方、脱サラオーナーなどが運営する小規模のフランチャイズでは軽減税率が適用されることになるため、税込価格が変わります。

また、このような小規模事業者対策は、大企業にとっては不利な制度ですから大反対が予想されますが、大企業はブランドや価格交渉力などの面において小規模事業者よりも取引上圧倒的に強く、よほどの政策誘導をしない限り優位な立場は変わらないでしょう。一方で地域の商店街の小売店が次々と大型店舗によって淘汰され、シャッター通りとなってしまっているのが現実であり、小規模事業者対策は急務と言えるでしょう。

いずれにしても、消費税に関しては消費者向けの逆進性対策や、中小企業向けの転嫁対策などにおいてもまだまだ議論の余地が残されていると思います。特に野党は対案をどんどん出して行くことが求められており、私に限らず、臆せず主張して行きたいと思います。