先進的なイノベーションを生み出した人物を表彰する「イノベーション大賞」の第一回の受賞者に、山中伸弥氏(京都大学 iPS細胞研究所長)が選ばれた。授与したのは、ネットショッピング大手の楽天の三木谷浩史社長が代表を務める経済団体「新経済連盟」。7月8日、都内のホテルで授与式が開かれ、三木谷氏は壇上で、iPS細胞を作製する技術は「人類最大の発明」と称えた。賞金3000万円と記念の盾を贈られた山中氏は、「このお金は、今までできなかったことができるようになるという面で、大きな意味を持つ」と喜びを語った。
山中氏は、スピーチの中でも、研究に対する寄付金の重要性を訴え、「外国から一流の研究者を招くときに、『奥様と一緒に来てください』とお願いすると来てくれるが、国費という制限の中では本人以外の分までは出せない」と指摘。国からの支援だけでは、優秀な人材を集めるときに限界があると強調した。また、「研究活動や論文審査も人間がやっているので、世界中の優れた研究者と太いパイプをつないでいかないと、いろいろな面でうまくいかない」とも語り、使途の制限が少ない資金が有用であるとの認識を示した。
新経済連盟は、インターネットを利活用したサービスを提供する企業が2010年2月に設立した一般社団法人「eビジネス推進連合会」が前身。2012年6月に、現在の名称に改めた。この賞の受賞式には、下村博文文部科学大臣や田村憲久厚生労働大臣、甘利明経済再生担当大臣らが出席した。
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関連リンク
・京都大学 iPS細胞研究所 プレスリリース
関連動画サイト
・YouTube サイエンスチャンネルページ「イノベーション大賞2014