一昨日、昨日と、島根県隠岐諸島に出かけて参りました。山内道雄町長の下、地方創生のあるべき姿を提示している海士町を一度見ておきたかったのですが、実際に自分の目で見てみると、やはり感動と驚きの連続でした。

石破 茂 です。

連休の谷間の金曜日、普段と変わらずお仕事の方、いつも以上にお忙しくしておられる方も多く居られることと存じますが、世間一般はいたって静かな状態で、永田町・霞が関でも議員の姿を見かけることはほとんどありません。

閣僚もその多くが海外出張中ですが、私自身は今年は何処の海外にも出かけることなく、いくつかの国内出張、講演、テレビ出演の他は平常通りの仕事をこなします。地方創生関係や歴史物の、以前から目を通しておきたかった書籍、論文などもこの機会に可能な限り読んでおきたいと思います。

今から三十五年も前の銀行勤めの頃、上司の多くが休みを取る連休中はなるべく出勤したものでした。お客様は少ないし、面倒なことを言う上司も居ないし、溜まった仕事を片付けるなら今のうちだ、と思いました。入行店であった日本橋本町支店に四年間いただけでしたが、あのころが一番楽しかったように今にして思います。

一昨日、昨日と、島根県隠岐諸島に出かけて参りました。

山内道雄町長の下、地方創生のあるべき姿を提示している海士町を一度見ておきたかったのですが、実際に自分の目で見てみると、やはり感動と驚きの連続でした。山内町長の取り組みは著書「生き残るための10の戦略」(NHKブックス)に綴られています。是非ご一読をお勧めしますし、多くの行政関係者にも読んでいただきたいと思っています。

隣県の鳥取県出身でありながら、今まで隠岐諸島には一度も行ったことがありませんでした。

天候に恵まれたことも大きいのですが、世界ジオパークに指定されただけのことはある、本当に自然の素晴らしい島で、久々に心から感動したことでした。日本には本当に素敵なところが多くあるのですね。

同時に、竹島を含む国境離島でもあり、防衛の観点からも多くのことを考えさせられました。

後鳥羽上皇、後醍醐天皇が配流された歴史の島々でもあります。

まえがきを書く必要があって、地元鳥取の作家、松本 薫さんが書いた「天の蛍~十七夜物語」(江府町観光協会、今井出版から六月発刊予定)という、鳥取県日野郡江府町(こうふちょう)に伝わる戦国時代に端を発するお祭りをモチーフにした歴史小説の原稿を読んだのですが(これがなかなか面白い)、それぞれの地域や人々が、歴史の流れの中でどのように対応したのか、意外と習ってはこなかったように思います。地域の歴史を学び、愛着と誇りを持つことも地方創生の重要な要素であるように思います。

今日から五月、東京都心は五月晴れの爽やかな陽気です。皆様良い日々をお過ごしくださいませ。

追伸:「天の蛍~十七夜物語」のあらすじ

時は戦国、山陰では尼子と毛利が覇を競っていた。両親を失った少女・波留(はる)は妹と別れ、旅芸人一座で踊り子となる。数年後、妹を迎えに帰郷すると彼女は何者かに連れ去られていた。妹を探す中、足軽の要(かなめ)との出会い、そして偶然迷い込んだ「江美の十七夜」での江美城主蜂塚右衛門尉との出会いから城主の娘・寿々姫の世話役となり、波留の運命は変わっていく。

城主の毛利方への転身、姫の死という混乱に揺れる中、波留は悲しみに暮れる城主たちを慰め、この世とあの世をつなぐため、再び踊り始める... (事前宣伝パンフレットより)

隠岐諸島視察の様子です。

(2015年5月1日「石破茂ブログ」より転載)

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