選挙制度や戦略には「何が正しい」ということはありませんし、
結果論でなんでも言えてしまうというのを前提として、
今回は(も?)私見を述べさせていただきます。
<衆院選中盤情勢>与党、3分の2超す勢い…本社総合調査
週末にかけて行われた調査でも変わらず与党の圧勝が報じられており、
このまま波風が立たなければ結果はほぼ見えてきたと言えるでしょう。
有権者の選挙への関心もとても低く、
私も昨日渋谷駅で2時間駅に立ちまして、数多の選挙で街頭演説を行ってきましたが、
「これはどこかの地方選挙か?」と思ってしまうほどの温度感です…。
自民300議席超も=民主伸び悩み、維新苦戦―共産倍増・衆院選情勢【14衆院選】
>候補者調整により、民主は127、維新は46の選挙区で共産党以外の野党との競合を回避したが、
>その多くは苦戦している。維新と分党した次世代の党も大幅に議席を減らす見通しだ。
以前にTwitterでもつぶやいたのですけど、
やはりこの野党同士の「候補者調整」が、有権者の期待を著しく下げたように感じています。
投票率にも、野党の得票数にも、悪影響を与えたはずです。
例えば東京のとある選挙区には、自民・維新・共産の三候補しかいません。
この区はリベラル派区長が誕生する地域であり、2009年は民主党が小選挙区を取るなど、
伝統的にも特性的にもリベラルな有権者が多い選挙区です。
候補者調整をされてしまうと、こういう人たちは、一体どこに投票しろというのでしょう?
民主の支持層は維新に候補者には入れられませんし、その逆もまた然りです。
いくら野党が選挙事情で協力したところで、そんなことは有権者には関係ありません。
民主党の支持層の票の行き場はなく、棄権・無投票の選択が増えることになるでしょう。
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もちろん、
「現実的に勝つ可能性が出てくれば、期待感が上がって投票率も向上、野党も伸長する」
という考え方もありますし、それが機能する場合もあります。
しかしながらそれは政権交代の期待、つまり、
野党に過半数の可能性があるときのみではないでしょうか。
そもそも「小選挙区」というのは二大政党が前提とされた仕組みです。
「与党VS野党」という構図が出来上がっているなら、
調整による票の「足し算」もありえました。
しかしながら、民主と維新の候補者の多くが小選挙区で勝ち上がったとしても、
現実的に過半数に届かない状況では、その調整に意味を見出すことは難しいでしょう。
候補者調整は、その選挙区での比例票掘り起こしを放棄した分、野党にとってマイナスとなります。
まったく違う理念・政策を掲げていた政党同士が「調整」の名の下で、
有権者の選択肢を選挙が始まる前から奪うようでは、
投票率が低下することは誰も責められないと思います。
私はやはり、できる限り候補者を多く擁立する、
有権者に多くの選択肢を与えることは、公党としての義務ではないかと考えます。
(その点でも、共産党のスタンスには一目置かざるを得ません)
という記事を先日上梓しましたが、そのろくでなしすら
選択肢に存在しないことほど、有権者にとっての不幸はないのですから。
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…なお、候補者擁立どころか、選挙前に所属政党が消滅した点につきましては
深くお詫びするとともに、二度とこのような自体が憲政史上で起こらないよう力を尽くしたいと思います。
選挙戦はこれより終盤戦。
調整に追い込まれた野党たちに、反撃の糸口はあるのでしょうか。
明日は再び、政策比較の記事をアップしたいと思います。
今晩は予定と業務が立て込んでおりまして、簡潔ながらこの辺りにて。
それでは、また明日。
(2014年12月8日「おときた駿公式ブログ」より転載)