こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。
各種の報道でご案内の通り、昨日私が所属する政党・日本を元気にする会の国会議員たちと、
維新の党(東京残留組の方)が「統一会派」を結成いたしました。
維新・元気 参院で統一会派を結成
「政党」と「会派」の違いは非常にわかりにくいのですが、
簡単に言えば「政党」は地方議員や党員まで含めた大きなくくりで、
「会派」は国会における国会議員だけの活動単位です。
以前に松田代表がおっしゃっていたように、まずは国会内での活動でお互いの価値観をすり合わせ、やがて政党という本体の合併に至っていく…というのが段階的な展開です。
まさに今、民主党と維新の党が行っていることでもあります。
で、この統一会派への動きについては、いとう陽平新宿区議が述べている通り、
事前に私たち地方議員への説明はほとんどなく、各種の報道や関係者から
情報を得て推移を見守っているような状況でした。
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ようやく本日の党会合にて正式に説明を受けてきましたが、
結論から申しますと、今回の統一会派結成には賛同できません。
もちろん、すべての政策や理念が100%一致しなければ
統一会派結成や政党合流ができないわけではありませんし、
価値観の違い・程度問題だと思います。その前提で、いくつかの私見を述べます。
まず、いくら以前に同じ政党(みんなの党)に所属していた仲間だったとはいえ、
しかるべき理由があって袂を分かったわけですから、再び手を組むとなれば
政策や理念を確認するのに一定期間が必要ではないでしょうか。
実際に短期間で合流する過程で、元々は元気と一緒に会派を組んでいた
みんなの党出身の行田議員・田中茂議員は、統一会派への合流を良しとせず脱落しています。
「自然の流れ」というのは無理があるように思えます。
●安保法案に元気は修正案付きで賛成、維新の党は反対
●維新の党は民主党と合流協議中、元気会は「『今の』民主党とは組めない」と発言
等、政策についても政治姿勢ついても大きく異なるように見える点が複数あります。
合同記者会見をすべて見て、個別説明を聞いたうえでもなお、
納得することは容易ではありませんでした。
所属する地方議員すら理解できない状態で拙速な合流を成しても、
世間からの「野合」との批判を免れることはできないのではないでしょうか。
※野合
共通するものもないばらばらの集団が、まとまりなく集まること。
もともとは「正式な手続きを経ずに夫婦になること」が主たる意味だったが、
現在では上記の意味で政治の世界にてよく使用される。
加えて個人的な考えにもなりますが、元気会は大阪ダブル選挙において、
「おおさか維新の会」の候補に支持声明を出し、実際に私も大阪に入りました。
(その後、支持が断られたりしましたが、元気は支持取り消しはしていません)
一方で残留維新の党は非常にゴタゴタしており、
150名以上の地方議員が一方的に執行部によって除名されるなど、
同じ地方議員である私の立場から看過できない事態も発生させています。
この点も含めて厳しい意見を残留維新の党に向けていた私としては、
そのメンバーと自分の所属国会議員が手を組むことには、
非常に強い違和感を覚えざる得ません。
「なんで『おおさか』じゃない方の維新と??」
という、恐らく多くの人が思ったであろうことが、
私自身の脳裏によぎらなかったと言えば嘘になります。
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そして何よりも…根本の政治姿勢について。
「政治屋」ではないメンバーで構成された元気会は本来、
「政局」と最も遠い立場にいるはずの政党でした。
結党理念も政治スタンスも、政策すらも異なるのに、選挙前になって合流を目論むような
民主党・維新の党の一連の動きには、多くの国民が辟易としていると思いますし、
少なくとも私はそのように感じています。
このような流れと一線を画す政党に所属していると思っていたからこそ、
私は過去に(言い方は悪いですが)「高みの見物」のような解説記事を書いていました。
民主党と維新(残留組)が合併できない、やんごとなき理由を検証してみる
http://otokitashun.com/blog/daily/9648/
今後民主党を含めた大きな野党合流に加わるのであれ、
維新の党と新たな枠組みを模索していくのであれ、今回の統一会派という決断は
こうした政局の波のどまんなかに突っ込んでいく行為に他なりません。
果たしてそれが、元気会の成し遂げる役割なのかと考えると、
この点について私は最も大きな疑念を感じています。
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統一会派が組まれた事後に言っても詮無いことではありますが、
本日の党会合で私は以上のような反対意見を述べさせていただきました。
各国会議員・地方議員それぞれのお考えがあると思いますし、そちらは尊重いたします。
いずれにせよ国政政党としての元気会は
井上参議院議員の離党届を保留している状態ですから、近日中にこれを受理し、
勢力として存続するのであれば「政治団体」へと立場を変えることになります。
それは…私にとっては…大変残念ながら、
1年前に創りあげた国政政党「元気会」とは別物になってしまいそうです。
とはいえ私にも丸1年間、この政党をゼロから支えてきた自負と責任がありますから、
どのような形で国政政党「元気会」を清算し、残るとすればどのような形で継続するのか、
しかるべき決着がついた後に新たな道に進みたいと思います。
各種の報道でご心配をおかけしている皆さまにお詫び申し上げるとともに、
今後どんな立場であろうとも、自分の決断については説明責任が果たせる、
そんな政治家であり続けられるよう精進して参ります。
長くなりましたが、それではまた明日。