こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。
三日ほど前の記事ですが、産経新聞にこんな内容が載っていました。
これが開かれた都政? 有識者会議「傍聴可能」はわずか27%
東京都が置く「付属機関」(有識者会議)276団体のうち、審議の全内容が傍聴可能となっているのは74団体(約27%)にとどまることが25日、産経新聞の調べで分かった。全面公開しているという団体は130あったが、うち56は日程などを都民に事前告知せず、事実上傍聴不可能となっていた。「原則公開」と定めた都の内規が"骨抜き"となっている実態が浮き彫りになった。(後略、強調部筆者追加)
「付属機関」(有識者会議)とは、〇〇審議会・協議会などの名称で、
大学教授などの専門家が委員になって政策について諮問をする会議体です。
以前にも触れた気がしますが、
「きちんと有識者たちの意見を聴取して、お墨付きをもらいましたよー」
という行政側の言い訳に使われて形骸化しているものが多いのですが、
産経新聞の取材によってその事実が裏付けられることになりました。
7割以上の会議体が、『事実上の傍聴不可』って...
少し前にもこうした会議体の一つである
東京都青少年問題協議会で公募委員の仁藤夢乃さんが、
この行政の閉鎖体質を暴露して話題になりましたし、
【報告】東京都青少年問題協議会・実質傍聴不可から、情報公開へ
本件は私や他の議員も関連して、
情報公開・発信のルールがおかしい旨を指摘していたところですが、
東京都の怠慢・不作為が再びメディアによって暴かれた形です。
「リアルタイムのTwitterはダメで、ブログで後からはOK」という、謎な東京都審議会の情報発信ルール
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上記の報道が出た後、さっそく担当局の見解を聞こうと動きまして、
東京都には生活文化局という部署に「広報広聴部・情報公開課」という部署があります。
てっきりそこが担当だと思ったので連絡すると、
「本件はウチではなく、総務局が担当です」
...なんかおかしいぞ、と思いつつ総務局の担当者に事情を伺うと、
現時点での見解は以下の通り。
・報道の数値は、各付属機関やそれを所管する担当局に個別に取材して足しあげたデータの模様
・東京都全体としては、情報公開がどのような状況か俯瞰して把握していない
・報道が出た後、この対応をするのは生活文化局か総務局かで議論はあったが、
「付属機関」が条例上は総務局の所管に位置づけられるので、総務局の担当になった
問題だと思うのは、太字にした二か所です。
こうした報道が出るまで、東京都は全体的な状況を把握していなかったし、
また把握する気もなかった=情報公開やる気ナシ、ということが如実に現れています。
そして「開かれた都政」を創るためにわざわざ生活文化局に
「情報公開課」という部署があるのですが、この部署は私もかねてから謎に感じていて、
その名に反して非常に情報公開に消極的で、最小限の受け身の仕事しかしていません。
今回のケースも
「いや、これはウチじゃなくて、条例上それを所管する総務局の仕事でしょ」
とブン投げたあたりで、逃げ腰感が半端ないです。
たしかに法的な位置づけは総務局の下部組織の問題かもしれませんが、
「情報公開」という点で専門性を発揮すべきなのは生活文化局のはずです。
(広報広聴部関連のHPより。情報公開請求への対応はしているが...)
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そして法的には総務局の直下にあるとはいえ、
道路関係の協議会なら建設局・都市整備局、公衆衛生関係の審議会なら
福祉保健局といったように、審議会を担当する部署は各局に分散しています。
総務局としてはそれらを飛び越えて付属機関とコンタクトをとるわけにはいかないので、
報道の裏付けをとるのにはかなり時間を要する...と総務局の担当の方も頭を抱えていましたが、
頭を抱えたいのはこちら(都民)の方です。
まさに、行政の悪い縦割り体質が爆発。
「情報公開」という視点から横ぐしで管理監督体制を敷き、
しっかりと都民に開かれた都政を実現していくべきです。オープンにすることで、
形骸化している審議会も変わらざる得なくなるでしょう(それが嫌なのでしょうが)。
特に「見かけの上では傍聴可能になってるけど、会議日程は非公開」
といった姑息な運営は、トップダウンで厳しい指導をしていく必要があります。
ちょうど来月には総務局への事務事業質疑がありますので、
本件は厳しく追及・改善を求めていきます。本当は生活文化局に質問したいんですけどね...。
それでは、また明日。
(2015年10月30日「おときた駿公式ブログ」より転載)