本日は定例会の最終日ということで、
130以上に及ぶ議案が賛否の採決をされました。
さて先般から私が紹介していた、
都議会に行く度に1万円が非課税で貰える「掴み金」こと費用弁償。
行くだけで1日1万円の掴み金!都議会議員の「費用弁償」廃止に向けて議員条例案を提出
この費用弁償の廃止法案は、一体どうなったのでしょうか。
可決、それともやっぱり否決?その結果はなんと...
都議お手盛り、いつまで 費用弁償、運賃数百円でも出席1日1万円 - 毎日新聞
>自民、公明、民主3党は「議会改革全体を議論すべきだ」などと主張。引き続き審議すべきだとして採決に応じない構え。(中略)条例改正案を採決して否決すれば「改革に後ろ向き」との批判を招きかねず、あいまいな決着で批判を避ける狙いもあるとみられる。
可決でも否決でもなく、「継続審議」という名の先送りという決着になりました。
本日の本会議で提案者が趣旨説明を行い、その場で採決を行うべきだという我々に対して、
自民党が継続審査を主張して動議をかけ、上記の大会派の賛成多数によりその提案が可決されました。
結果この条例案は、趣旨説明すら行われることなく「お蔵入り」と相成ったわけです。
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いや正直、油断してました。
数に物を言わせれば否決するどころか、採決すらしないということが可能なのを忘れてました。
率直な感想として、そこまでやるか?!って感じです。
彼らの主張はこうです。
「費用弁償の問題点は認識している。しかしそれは、単体で論じられるものではない。
議員報酬や議員年金の廃止など、議会改革トータルで考えて議論をする必要がある。
ゆえに場を改めて検討をするべきで、これ単体で議決を行うことは不適切である」
というわけです。
では、その場を改めた議論はいつ、どこで行われるのでしょう?
まったく決まっていないんです、それが。
都議会には「都議会のあり方検討会(通称:あり検)」という会議体があるのですが、
2013年の都議選前に行われたきり、再び開催される予定・気配は一切ありません。
この開催を誰が決めるのかといえば事実上、人数が多い大会派が決定します。
前回までに上がっていた未解決の議題、
次回の検討会で結論を出すと先送りされているものとして
「都議会の通年議会化について」
「議員定数の定数削減について」
などがあり、これはどちらも議員が身を切る改革・負担が増える改革ばかりです。
さらにいまこの検討会を開催すると、未解決案件になっているあの
「都議会セクハラ野次問題」
の検証も行わなければならないので、
もう彼らは何が何でもこの検討会は開催したくないわけです。
ゆえに、現時点で都議会のあり方検討会が開催される見込みは一切ありません。
開催される見込みのない会議体に付託する→廃案に追い込む。
これは「継続審議」という名を借りて世間の目を欺くもので、
政治・議会の世界では常套手段といえます。
この手を用いた理由は前述の新聞記事にもあるように、
統一地方選前に改革に後ろ向きとのイメージダウンを避けるためだと思われます。。
繰り返しになりますけど、「そこまでやるかっ?!」って感じです。
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確かに採決まで及んだとしても、否決という結果になったと思います。
しかし少なくともそこまで行けば、条例案の趣旨説明があり、それに対する討論が行われ、
本会議という正式な場で議論が発生するはずでした。
それすらも封殺する都議会の決断は、
果たして都民の皆さまの目にどのように移るのでしょうか。
先送り、お手盛りという批判の誹りは免れないと思います。
仮に百歩譲って、議会改革全体での議論が必要だとしても、
出来る部分から改善していかなければ、物事は一歩も前に進みません。
これは他の行政施策でも、民間のビジネスでもまったく同じことのはずです。
可決でも否決でもなく、思わぬ形で継続審議という名の「先送り」なる結果を
ご報告しなければならない自分自身の力不足を恥じ入るばかりですが、諦めません。
時間はかかっても必ず、この議会を変えていきます。
最後に政治を、議会を動かすのは皆さまの声と意見です。
私は今後も政界と都議会の生の情報を誰よりもわかりやすく届け、
皆さまと共にこの状況を前に進めていきたいと思います。
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他の条例案の賛否についてはまた追ってご報告しますが、
本定例会のもう一つの目玉であった知事・公務員の給与UP条例案の対応については
取り急ぎ同僚都議の上田令子ブログなどを御覧くださいませ。
条例で下げた振りして規則で上げる人件費議案にNO!
議会の圧倒的な現実に無力感を感じることもあるけれど、へこたれませんよ私は!
閉会中もいろいろと動き回りますので、今後もご指導ご鞭撻をいただければ幸いです。
何はともあれ、年度末だし一区切り。
とはいえ休むまもなく、明日明後日も街頭活動で北区の駅に出没予定です。
それでは、また明日。
(2015年3月28日「おときた駿公式ブログ」より転載)