選挙に行かない理由って「めんどくさい」とか「よくわからない」とか、単純に結構出てくる気がする。逆に、あえて選挙に行く理由って何?と聞かれたら、思ったよりすんなり答えが出て来ない。
18歳選挙権がはじまって、参院選を目前に控える中、「選挙に行こう!」と銘打った言葉を至る所でよく耳にするようになった。
何で選挙に行かなきゃいけないんだろう。自分が投票した所で何が変わるんだろう。そんなもやもやした気持ちを共有したり、あえてひとりひとりの選挙に行く理由を聞いてみようと、6月20日に #私が選挙に行く理由 というイベントがスマートニュース株式会社で行われた。
会場には100人近くの「#私が選挙に行く理由」を展示。「何となくの義務感」や「子供の未来のため」など、ひとりひとりの様々な思いがそこにあった。
参加者の方からも「自分が政治に興味を持つことを忘れないため」や「発言しない会議は参加していないのと同じ、投票しない投票権は剥奪されているのと同じ」というような多様な意見があった。
スマホで投票したい。投票し忘れていたらプッシュ通知で教えて欲しい。
パネルディスカッションの中で、タレントでエンジニアの池澤あやかさんは「選挙に行きにくいのは、手段の問題もあると思う。スマホで投票できればいいのに、何故IT化が遅いのか。」と指摘。また、投票し忘れていたらプッシュ通知で教えて欲しいという意見に参加者も笑いながら大きく頷いていた。
それに対してNPO法人YouthCreate代表理事の原田謙介さんは「10年くらい前はほとんど日曜日しか投票できなかった。それが今では期日前に平日でも投票できるようになっている。そういう意味ではスマホで投票も考えていくべきことだと思う。」と回答。
「ただ、IT化によって投票行為が投票したことさえ忘れてしまうようなものになってしまったらそれはそれで怖い。投票所って職員室みたいな雰囲気で、普段全然使わないえんぴつをもって投票する。この雰囲気のおかげで、ちゃんと自分が一票投票したんだということを実感できるのではないかとも思っている。」と語った。
NPO法人3keys代表理事の森山誉恵さんの「行かないひとがいることの方が自然。年配のひとしかいかない仕組みなんて嫌だ!とむしろ若者が声をあげてほしい。年配のひとたちのための仕組みが整えられていて、で、若者が選挙にいかなかったら責められる。でも選挙に行ったらそれはそれで迎合してるような感じがしてなんかいやだ。」という意見に対して「変わらなきゃいけないのは大人のはずなのに、18歳、19歳をはじめ若い人たちに責任を投げてしまっている雰囲気がある。でもそんな大人たちを変えていかなければ何も変わらないのは確か。」と原田さんが語った。
身近な困りごとは、どこかで政治と繋がっている
もちろん選挙のことだけ考えるのではなく、それ以前から政治について考えていくことが重要。
しかし、いきなりメディアで取り上げられているような争点を総合的に考えると、逆に迷ってしまったりする。
個人的でいいから身近な範囲で困っていることや気になることを考えてみる。その問題意識と政治は、きっとどこかでリンクしている部分がある。そこを見つけることができれば候補者選びもシンプルになってくるし、選挙に行く十分な理由になると思う。
その上で、投票する手段の部分も若者に対応するように変わっていくといいのではないかと感じた。
登壇者が「選挙に行きなさい」と語りかけるイベントではなく、登壇者と参加者の距離が近く、同じ目線で正解のないもやもやを一緒に考えたり、それぞれの選挙に行く理由を共有するエモーショナルなイベントだった。
スマートニュースでは「選挙に行こう」チャンネルが20日から開設された。これから随時選挙関連の記事をこのチャンネルで読むことができる。
また、イベントだけでなく「#私が選挙に行く理由」タグをつけてSNSで発信ができる。他の人はどういう理由で選挙に行くのかを知ると同時に、「#私が選挙に行く理由」を発信して、若い世代から政治や選挙への意識を盛り上げていきたい。