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2015年03月18日 15時09分 JST | 更新 2015年03月18日 21時08分 JST

「誇れるものがないと戦えないと思っていた」ヒャダインさんに聞く中高生時代

音楽クリエーターのヒャダインさんは、中高生のときは友達がいなくて悩みはノートに、学校が終わったら直帰。夢は持たなかったそうです。

音楽クリエーターのヒャダインさんは、中高生のときは友達がいなくて悩みはノートに、学校が終わったら直帰。夢は持たなかったそうです。中高生時代について深く聞いてみました。朝日中高生新聞では、ヒャダインさんへの中高生の悩みを募集しています。

ヒャダインさん(前山田健一さん)=東京都内、菊池康全撮影

Q 中高生時代を振り返ってみて、いかがですか。

――あまり楽しくなかったですね。コンプレックスだらけでした。まず運動ができなかった。テニスのサーブでラケットにボールが当たらないレベル。体育の授業は嫌でしたね。

運動できる人生もいいなと、中学デビューするため剣道部に入ろうと思ったんです。サッカーや野球は無理。でも剣道は防具も武器もあるし、いけんじゃね?って。でも、見学に行って、運動部の雰囲気が怖くて逃げました。

Q どんな学生生活でしたか。

――3歳の時にピアノをはじめ、音楽が好きだったので、吹奏楽部に入りました。グランドピアノを防音室で弾けたのは良かったのですが、力を入れていないクラブで目標も発表の場もなかった。コミュニケーションをとるのが苦手で友達もいなかったので、自分の世界に入るようになった。直帰して家でシンセサイザーで曲をつくり、ファイナルファンタジーやドラクエなどのゲームをして勉強して寝る。この繰り返しでした。

音楽は好きですが、カラオケはいやでした。下手な人の歌、好きではないジャンルの曲をなんで聞かないといけないのかって思った。誘ってくれるなオーラを出したり、こそっと帰っちゃったり。風読みの天才でした。 

Q 友達は少なかったんですか。

――いま連絡を取れるのは辛うじて2人くらい。当時の学校の「一軍のみなさま」は運動ができて、僕の好きな下ネタを話してげらげら笑っていて、女子校とも交流がありました。うらやましかったけど、あいつらと一緒になったらスリーオンスリーとかやらないといけない。地獄ですよ。

僕は臆病で、「誇れるものがないと戦えない」と思っていました。自分を過小評価する癖もあって、自信がなく他人に壁をつくっていたんです。音楽をやることで、他の人とは違うことをしている気になり、ストレスの発散にもなりました。

Q 悩みは誰に相談していたんですか。

――悩みはなかったですねー。いや、ありました。そういえば、悩みはノートに書いていました......。思春期ならではの自意識を詩や小説にしていて、4冊くらいあります。思い出してひやっとしました。イタさのかたまりで、今も厳重に保管しています。表紙すら見せられません。ほんとにもやもやしていたんだな。

Q 大阪の進学校で有名な大阪星光学院中学・高校に通われていました。

――小学校は公立で、勉強が物足りなかった。やなガキでしたね。「ぜんぶわかりまーす」みたいな。これがあと何年続くんだろうと、思って受験を決めました。高校受験するのも面倒でした。東大寺学園(奈良)に落ち、西大和学園(奈良)に落ち、やけくそで大阪星光学院に受かりました。

勉強自体はRPGやってるみたいで好きでしたよ。3か月前は歯が立たなかった敵が、今は軽くやっつけられる。どんどん強くなっていく感じがいいですよね。

Q 中高生時代の勉強は、今の仕事の役に立っていますか。

――総合的にはものすごく役に立っていますよ。勉強嫌いな人あるあるで、大人になっても古文とか世界史の知識って使わないのに、なんで習うんだろうと思う人がいますが、まず一般常識として知っておかないといけないことが多いですよね。

僕は、学校の勉強は頭の中で考え、記憶するプロセスを学んでいると考えています。だから、別にバスケットボールの歴史を学んだってよかった。それは歌詞を構築することや、曲をどうしたら盛り上がるのか、ということにつながっています。

Q 夢はありましたか。

――夢を持ったことはないんですよ。でも、大人は夢をいっぱい聞いてきます。幼稚園のときは「絵描き」という語呂が好きだったので、絵描きと答えました。小学校の卒業文集では、金持ちにはなりたかったから貿易会社の社長になりたいと、書いた。音楽で金稼ぐなんて、絶対に無理だと思っていました。

大学受験したのも、東大や京大を受ける人が多い学校だったので、家が近い方の京大を受けてみようと思ったからでした。高2から受験勉強を始めました。目標は受かること。現役で合格しましたが、大学でやりたいことなんて何もなかったから、入ると「つまんね」って思った。大学はゴールではありませんでした。

Q 学生時代は「コミュ障」でしたが、いまはいろんな方と仕事をしています。

――昔の反動がありますね。中高生のときの「自分をこう見せたい」と思う気持ちはなくなり、堂々とできるようになりました。誇れるものや自信がないと話せないというのは、ただの思い込みだったんですね。恥かいても笑われても、いまはちゃんと仕事してるしっていう気持ちもあります。

Q 朝日中高生新聞で4月から中高生の悩みを聞く新連載「ヒャダ兄さんがノリノリで相談にノリますよ?」が始まります。

――中高生たちの悩みや相談を、気楽なものから重いものまでいろんな声を聞いてみたいです。「そういうことじゃねえんだよ」「あたりさわりない予定調和な大人が」「うそつけよ」。こう思われるようなことだけはしません。必死に考えて相談に乗りますよ。

記事は、朝日中高生新聞3月15日号に掲載した記事に加筆したものです。新連載にあたり、中高生からヒャダインさんへのお悩み相談を募集中です。4月は「人間関係」、5月は「恋愛・性」、6月は「進路や将来」がテーマ。名前(ペンネームも可)、学年(中学、高校の別も)、性別、都道府県名を書いて、朝日中高生新聞編集部のファクス(03・3545・0727)かメール(chuko@asagaku.co.jp)で「ヒャダインさんへの質問係」まで送って下さい。紙面について詳しくは、ジュニア朝日のウェブサイト(http://asagaku.com/)へ。