TechCrunchは、Facebookが未公開のMac版Facebook Messengerを作っていることを示す証拠写真を入手した。下の写真はFacebook社員がアプリを使っているところだ。
Facebook社員がMessenger For Macを使っているところ。情報筋よりTechCrunchが入手
Mac版の公式Facebook Messengerアプリを公開することによって、人々はパソコン上でいつでも簡単にチャットできるようになる。友達にテキストを送るためにウェブブラウザーのたくさんのタブの中から探す代わりに、専用のMessengerデスクトップアプリがあれば、すぐにドックから取り出してアクセスできる。
Facebookは声明あるいはコメントの提供を拒んでおり「当社は噂や憶測に関するコメントをしない」と私に言った。しかし、これは定型の返信文であり、デベロッパーがチャットボットをつくるための秘密のChat SDKを作った時も同じだった。
Facebookでチャットする人か増えれば増えるほど、同社のファミリーアプリを使う回数が増える。中でもニュースフィードはFacebookが広告で稼ぐ場所だ。
メッセージはモバイルの未来だ。Facebook Messenger経由ですぐにつながる人が増えれば、使う端末によらず誰にとってもアプリの価値が高まる。
MessengerをFacebookから切り離すことで、ユーザーがFacebookの広告を簡単に避けられるようになる可能性もある。しかし、それはFacebookがチャットを支配する戦争に勝つチャンスを広げるために、買って出る犠牲だ。そもそもFacebookは、すでにモバイルでニュースフィードからメッセージを切り離している。
デスクトップへの侵略
Facebookはウェブから生まれ、モバイルで広く実験を重ねてきたが、デスクトップに力を注いだことはなかった。
今をはるか遡る2011年、FacebookはPCとMacのアプリを作るためのデスクトップソフトウェアエンジニアを募集した。1年後、Facebook Messenger For Windowsアプリの早期テスタ利用者がダウンロードリンクをリークしたため、Facebookはデスクトップアプリを急遽公開することになった。
その後の2年間、Facebookはアプリを殆ど無視していたかのようだった。そして2014年3月、Facebookはこれを終了し、「残念ながら、Facebook Messenger for Windowsのサポートを中止し、2014年3月1日をもって動作を終了する」とユーザーに伝えた。
非公式のデスクトップ版Facebook Messengerアプリ
以来、Facebookはデスクトップ用ソフトウェアを提供していない。2015年4月にFacebookは、Messenger.comという専用のブラウザーインターフェースを提供した。これは、ニュースフィードなど他のFacebook機能に邪魔されることなくチャットできるためのサイトとして作られた。
ブラウザーからの逃避
しかし私の情報源の目撃情報と写真によると、今回発見されたMessenger For Macアプリは、それらの非公式アプリとは別物だ。報告によると、社員が使っていたアプリはアプリドックのアイコンにMessengerロゴがあり、メニューバーにMessengerと書かれていた。
左下隅にモバイルと同じMessengerタブバーが見える
この粗い拡大写真で見るのは難しいが、Facebook社員が作っている公式版には、左下に公式iOSモバイルアプリと同じナビゲーションタブのオプションとして、Recent、Groups、People、Settingなどが見える。非公式版にはこのタブバーがない。さらに私の情報源は、この社員がFacebookの社内ポータルとVPNにログインしていたことも確認しており、未公開の公式Mac版Messengerアプリであることをさらに裏付けている。
Facebookが、ユーザーにウェブサイトの代わりにデスクトップソフトウェアを使ってチャットすることを強制することは、考えにくい。FacebookがいつMessenger for Macを公開するのか、そもそも公開するのかどうかもわかっていない。同社がアプリを開発して内部でテストし、最終的に出荷しないことはしょっちゅうだ。しかしこのアプリは賢明な選択のように思える。Slackは、人々がメッセージング専用デスクトップアプリを好むことを証明した。アプリはFacebookがGoogle、WeChat、Line、Kik、Kakao Talkなどのライバルを蹴落とす助けになるかもしれない。
ブラウザータブの混沌から逃げ出すことは、Facebookにとって有利に働く。最近同社は、Google Chromeブラウザーのデスクトップ通知機能を統合し、Facebookのアクティビティーに関するアラートを個別のミニウィンドウで表示できるようにした。これは、無数のタブに埋もれがちなFacebookの通知を、素早く見て反応するために非常に便利であると私は感じた。
Messengerは、チェックしに行くようなウェブサイトではない。これは1日を通じて使い続けるコミュニケーションツールだ。Facebookタブを探したり、ウィンドウを表にだすために手間取ることは、コミュニケーションの摩擦を取り除きたいFacebookの目標に反する。モバイルのMessengerアプリをFacebookが切り離す前、チャットがメインアプリの奥深く埋もれていたのと同じように、今のデスクトップではブラウザーの中に埋もれている。しかし、Messenger For Macは、チャットを浮かび上がらせる可能性を持っている。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)
(2016年1月10日 TechCrunch日本版「FacebookがMac版Messengerアプリを作っていることを示す証拠写真」より転載)
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