Woveをご存知だろうか。腕に巻きつけて使うことのできるiPadを目指すデバイスで、ディスプレイ部分を自在に曲げて手首にフィットさせて使うことができる。
開発したのはPolyeraで、これが同社最初のコンシューマー・プロダクトとなる。スマートウォッチと同様の位置づけとなるデバイスだが、大きなディスプレイを自在に曲げて使えるのが新しい。折り曲げ可能なタッチスクリーンディスプレイの可能性を試すものともなっている。紙のようなしなやかさをもつプロダクトというのが、次々に登場してくることになるのかもしれない。
共同ファウンダーであるPhil InagakiがPolyeraを設立したのは10年前のことだ。ここで紹介しているWoveが誕生したのは2年半前のこと。Polyeraはデジタル・ファブリック技術で特許を取得しており、電子プロダクトを「柔軟」化したものを生み出してきている。これまでには「フレキシブル・トランジスタ」や曲げることのできるディスプレイなどを開発してきている。そうして培った技術を活用して、今回もWoveを世に問うこととしたのだ。
Woveは1040×200のマルチタッチスクリーンを搭載しており、表示する情報や走らせるアプリケーションなどは自由に選ぶことができる。ちなみに画面はKindle同様のE-inkディスプレイとなっている。また一度に複数のアプリケーションを走らせて情報を表示することもできるようになっているそうだ。
大画面を備えつつ電力消費を抑えて長時間利用できる、これまでとは全く異なるウェアラブルデバイスを作りたかったのです。
-- Phil Inagaki, Polyera搭載されるOSはAndroidをベースとしたWove OSという独自のもので、Bluetooth経由でスマートフォンに接続する。Woveの最初のプロトタイプは12月に世に出てくる予定となっている。Polyeraはリリースに備えて、アプリケーション開発のためにWove OSの情報を公開している。ちなみに消費者向けのデバイスを世に出すのは2016年の中頃になるだろうとInagakiは言っている。
また、Wove OSプラットフォームの魅力を高めるために、メジャーなアプリケーションメーカーとも提携作業を行おうとしているところなのだそうだ。「大画面を備えつつ電力消費を抑えて長時間利用できる、これまでとは全く異なるウェアラブルデバイスを作りたかったのです。」とInagakiはTechCrunchのインタビューに応えている。
価格はまだ未定なのだとのこと。ただ、Apple Watchの最廉価版より安くするのだそうだ。
世界初となる折り曲げ可能なウェアラブルデバイスというのは、確かに面白そうな感じがする。インタビューと、Woveが動作する様子を上のビデオに収録しているのでぜひご覧頂きたい。Woveがいったいどんなものなのかをご理解いただけるはずだ。
[原文へ]
(翻訳:Maeda, H)
(2015年10月19日 Techcrunch日本版「E-Ink式「曲がる」タッチスクリーンを備えたウェアラブル・リストバンドのWove」より転載)
【関連記事】