【3.11】地震発生回数で見る東日本大震災 災害には「意識の備えを」(瀬田繭美)

東日本大震災から4年。当時は、今の状況は、そしてこれからも自然とともに私たちが生きていくためには? 「意識の備え」について、改めて振り返ってみましょう。

東日本大震災から4年。当時は、今の状況は、そしてこれからも自然とともに私たちが生きていくためには? 「意識の備え」について、改めて振り返ってみましょう。

改めて、東日本大震災当時の、日本付近の地震発生状況を振り返ってみましょう。

上の図は東北地方太平洋沖地震が発生した2011年3月(右)と、その1年前の3月(左)に震度1以上を観測した地震の分布です。丸が大きいほどマグニチュードが大きく、色が赤いほど浅いところで地震が起こっていたことを表しています。1ヶ月間に発生した全国における地震回数は、2010年3月の99回であったのに対し、2011年3月は約9倍も増えて864回も発生しました。

さらに2009年からの地震発生回数を月別に見てみると、当時の地震発生回数がどれだけ異常であったかということがよくわかります。驚くべきことは、864回のうち約半分の409回が震度3以上の地震であったということ。この多くは2011年3月11日14時46分に発生した東北地方太平洋沖地震の余震です。

「余震」という言葉で誤解されがちですが、決して「余震=小さな地震」ではありません。「余震」とは、大きな地震があった後、その付近で地震が起こりやすくなること。当然、本震が大きければ余震も大きくなりますし、場所によっては本震と同じ程度の揺れになることもあるのです。

実際、東北地方太平洋沖地震の場合、最大震度6強の余震を観測しています。また、先日2月17日にも、岩手県沖で最大震度5強を観測する地震が発生し、岩手県の太平洋側で最大0.2mの津波が観測されたばかりです。

時間の経過とともに余震の発生回数は減ってきていますが、今でも東北地方太平洋沖地震発生前よりも地震が頻発しており、依然活発な状態が続いています。気象庁は、今後も最大震度5弱以上の強い揺れや津波が発生する可能性があると注意を呼びかけています。

地震が発生すると「地震が起こった事実」を確認しがちですが、本当に確認してほしいのは「この後何が起こる可能性があるか」を考えて次の行動をするということ。どのタイミングで、どの情報をチェックしたらよいのかお答えします。

【地震が発生する前は「緊急地震速報」】

震源近くの地震計でキャッチした地震波から、最大震度が5弱以上の地震が発生すると予想された時、「緊急地震速報」で震度4以上が予想される地域が発表されます。

・先読みポイント

緊急地震速報を受信した場合、大きな地震に備えて、自身を守る行動をとってください。

・情報を受け取る方法

緊急地震速報は、テレビやラジオ放送、防災行政無線、携帯電話(NTTドコモ、au、ソフトバンク、Y!mobileの4キャリア)、施設の管内放送などで受信することができます。

【地震が発生したら「地震情報」と「津波情報」をWチェック】

・先読みポイント

揺れの大きさに関わらず、震源が海域の場合、津波が発生する可能性があります。

津波による災害のおそれがあると予想された場合、「津波警報・注意報」が発表されます。周辺地域に津波が予想されている場合、ただちに高台に避難してください。また、津波は長時間続き、何度も押し寄せる場合があります。"津波警報・注意報が解除されたか"までをチェックするようにし、それまでは決して海岸には近づかないでください。

一方、津波による災害のおそれがないと予想された場合は、「地震情報」の中で津波の恐れがないことが発表されます。

・情報を受け取る方法

これらの情報は、テレビやラジオ、天気予報サイトなどで確認することができます。

またtenki.jpでは、地震や津波などを情報をスマートフォンのプッシュ通知でいち早くお知らせする「Twitterアラート」に参加しています。@tenki.jpでは、災害時のアナウンスや防災情報のうち特に注意が必要な情報を、@tenkijp_jishinでは、震度5弱以上の地震が観測された場合にお知らせします。

自然災害はいつ起こるかわかりません。何気なく毎日を過ごしていると忘れがちですが、その「何気ない毎日」をこれからも過ごしていくために、日頃から物の備えはもちろん、知識と意識の備えをしておきたいものです。

東日本大震災から4年がたちました。まだ、津波の爪痕が残っている地域も少なくはありません。写真の大槌町は、町民の10人に1人の方が震災の犠牲になりました。今も、城山公園からみた景色は当時の姿を取り戻していません。

それでも、少しずつ、確実に復興は進んでいます。大槌町を走るJR山田線の復旧工事が始まったという喜ばしいニュースが飛び込んできたのは、つい先日3月7日のこと。新しい希望の光が、各地で次々と光り始めています。

今夜は家族や友人と、日々の備えや、今、これから私たちができることについて、改めて話してみてはいかがでしょうか。

【関連リンク】

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瀬田 繭美

気象予報士 熱中症予防指導員

今日も空を見上げながら、

楽しく天気をお伝えすべく、日々精進しています!

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