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2018年03月11日 13時29分 JST | 更新 2018年03月11日 13時30分 JST

【3.11】宮城閖上の今 もう一度美しい港町を目指して

少しずつ企業が戻ってきています。

『復興レポート』東日本大震災から7年。被災地の復興状況をお伝えするこのレポート。第1回は、宮城県名取市閖上(ゆりあげ)地区の今をお届けします。

宮城県名取市は、仙台市の隣に位置する市です。「仙台空港がある市」と言うと、みなさんピンとくるでしょうか。

名取市では、震災で923人の方が亡くなりましたが、その被害の大部分は、沿岸部に面した閖上地区に集中していました。その被害の大きさから、震災ではじめてこの土地の地名や読み方を知ったという方も多いでしょう。

この地域の津波による浸水高は9.1m。震災前は漁港として栄え、住宅地が立ち並ぶ活気ある街でしたが、想像を超える高さの津波によって、多くの建物が流され、壊滅的な被害を受けました。

こちらが2011年当時のようす。大津波によって立ち並ぶ家のほとんどが流され、がれきだらけの町と化してしまいました。

(写真:東日本大震災アーカイブ宮城「名取市 東日本大震災の記録」より)

私がこの土地を初めて訪れたのは、震災から3年後の2014年。2年後の2016年に再訪し、今年2018年に再びたずねてきました。

2年ぶりのこの場所。果たして、どれくらい復興しているのでしょうか・・・

4年前、初めてこの場所を訪れた印象は「何もない」だった

2014年に初めてこの土地を訪れたときの正直な感想は、「何もない」でした。

すでにがれきの撤去を終えたその土地は、そこに街があって、人々が生活していたイメージがまったく浮かばず、ただ呆然として、涙が溢れてきたのを、今でもはっきりと覚えています。

唯一、ところどころに家の基礎が残っていて、ここに人々の営みがあったことを懸命に訴えているようでした。

まだ7年・続く何もない街

それから2年後の2016年、そしてさらに2年後の2018年とこの土地を訪れましたが、初めて訪ねた時と、それほど印象は変わっていません。

復興には、私たちが想像しているよりもはるかに、長い長い時間がかかるのです。

私たちが暮らす東京では、ときどき、「もう7年だね。」という言葉も聞かれます。

確かに、東北はこれまで力強い想いで復興をしてきました。それでも、元の姿に戻っていない場所もたくさんあるのです。

まだまだ、私たちがやらなければならないことはたくさんあります。

今、この瞬間も、復興に向けてたくさんの人たちが頑張っています。

――まだ7年。

どうか、そのことを忘れないでください。

ゆっくり、復興を目指して

しかし、ゆっくりではありますが、復興も進んでいます。

閖上地区のもっとも沿岸に近い地域は、震災前は住宅地になっていましたが、今後は主に工場地となる予定です。

2016年当時、家の跡地の奥で、工場の建設が進んでいました。手前に写っているのが、家の基礎たちです。

そして2018年、土地がきれいに整備され、まだ数は少ないですが、2年前は建設中だった水産工場もいくつか完成していました。

もともと港町として栄えてきた閖上地区、海の幸が豊富で、とくに赤貝の名産地としても知られています。

またこの漁港に賑わいを取り戻したい!と、少しずつ企業が戻ってきています。

もちろん、津波に対する不安がないわけではありませんが、みなさん、閖上という土地への強い想いが原動力になって、再びこの土地に戻ってきている方たちばかりです。

それだけたくさんの人に愛されてきた閖上地区、この場所が再び活気を取り戻すお手伝いをしていきたいですね。

この工場地のそばには、東日本大震災の慰霊碑が立てられています。

それぞれ「種の慰霊碑」と「芽生えの塔」と名付けられたこの石碑たち。塔の高さは、この土地の津波の高さに合わせて作られました。

この場所に立って、塔を見上げると、この高さまで津波がやってきたという信じがたい事実に、言葉を失いました。

それでも、信じられない高さまで津波が来たことは、事実です。

津波警報や大津波警報が発表されたら、決して、予想される数値やご自身の経験だけにとらわれず、できるだけ高い所に避難してください。

ゆっくりですが、新しい街づくりが進む宮城県名取市閖上地区。もう一度美しい港町を目指して、街は動き続けています。

参考:名取市HP

(2018年3月10日tenki.jpより転載)

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日本気象協会 本社気象予報士/熱中症予防指導員

瀬田 繭美

空と旅をこよなく愛する、おでかけ大好き気象予報士。 苦手なことは、一日中家でじっとしていること。 今日も空を見上げながら、楽しく天気をお伝えすべく、日々精進しています!