政権与党の中枢にいる萩生田さんへ。私の1歳の長男のどこが「変わっている」のでしょうか?

もしお答えできないのなら、発言の撤回をしてください。
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自民党幹事長代行 萩生田光一さま、

初めまして。この度、私の1歳8か月の長男が萩生田さんに、「変わっている」と言われたため、このお手紙を書くことにしました。萩生田さんは先日、宮崎市での講演でこうおっしゃいましたね。

「0~3歳の赤ちゃんに、パパとママどっちが好きかと聞けば、はっきりとした統計はありませんけど、どう考えたってママがいいに決まっているんですよ。0歳から「パパ」っていうのはちょっと変わっていると思います」

私の長男は、ママよりパパが好きです。ママが抱いていても、ぐずったら、「パパ」と私に抱っこを求めてきます。そんな私の長男のどこが「変わっている」のでしょう?

長男が生まれた直後に前妻が亡くなり、昨年11月に再婚するまで、私がシングルファザーとして育児に専念してきたから、ママよりパパの方が好きになるのは当然かもしれません。でも、それの何が「変わっている」のでしょうか?

男性より女性の方が多く育児に時間を割いている今の日本の現状で、ママよりパパが好きという乳幼児は少数派かもしれません。でも、それと「異質」や「変な」の意味が含まれる「変わっている」というのは全くの別問題です。父子世帯は全国に9万世帯ほどあると言われています。パパしか好きになることのできない子たちは、全員「変わっている」ということでしょうか?

私の長男がママよりパパが好きなのは、私がシングルファザーだったということだけが理由ではないと思います。先月、妻が次男を出産したのですが、妊娠中は長男の夜泣き対応も、保育園や病院への送迎も、お風呂もすべて私がやっていました。妊娠中、妻は疲れやすくなり、眠れない日も多く、集中力も散漫になって運転はできるだけ控えるようにしたためです。(私の住む地域では保育園の送迎はほとんどの人は車でやります)そして、出産後は、妻は次男に付きっ切りになり、長男の世話は継続して主に私がやっています。

萩生田さんは、こうも仰いましたね。

言葉の上で「男女平等参画社会だ」「男も育児だ」とか言っても、子どもにとっては迷惑な話かもしれない。

私の長男が、私に世話されることを迷惑に感じているかもしれないとのことですが、私はこのコメントを読んで、とても心が痛みました。私なりに頑張って育児をしてきたつもりだったのですが、長男にとっては迷惑だったのでしょうか?

私の妻は37歳で初産でしたが、妻の様な高齢出産はもう珍しくありません。ということは、これまで育児支援をしてきた「おばあちゃん」たちの高齢化も進んで、今までのようには助けることができなくなっています(私の母は78歳。妻の母は他界しています)。さらに、共働き世帯が増えて、周りに「主婦・主夫」が減り、親せきや近所の方に支援をお願いできる人も減ってきています。こんな時こそ、色々な人たちがごちゃ混ぜになって育児をしていかなければならないのに、パパが好きな乳幼児は「変わっている」という様な閉鎖的な発言をされる方が、政権与党の中枢にいらっしゃるということの方が、私にとってはよっぽど迷惑です

改めて、お尋ねします。

私の長男のどこが変わっているのでしょうか

もしお答えできないのなら、発言の撤回をしてください。萩生田さんの様な影響力のある方に「変わっている」という烙印を押されたままでは、長男があまりに可哀そうです。どうかよろしくお願いします。

黒岩揺光

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