大切な人を失ったときに起こるグリーフ(悲嘆)は、誰もが経験すること。でも、その過程はあまり理解されていないと思う。
グリーフは「克服できるもの」だと思っている人が多い。これはもしかすると、一番大きな誤解かもしれない。普通のグリーフであれば時間が経つにつれて良くなっていくけれど、つらい気持ちや悲しみが消えることはない。
先日、グリーフの過程をわかりやすく表現しているイラストを見つけた。
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イラストレーターのマリー・アンドリューは、2年前に父親を亡くしたそう。
最初、グリーフは圧倒されてしまうほど重荷に感じる。でも時が経つにつれて形を変え、抱えることができるようになる。そしていつか、自分の一部になる。
体の痛みと違って心の痛みは目に見えないから、周りは気づかないかもしれない。自分でも気づいていない場合もあると思う。
もし、あなたが今グリーフを経験しているとしたら、まずはそのことに気づいて欲しい。そして、ひとりではないことを知って欲しい。
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(2018年9月18日「佐藤由美子の音楽療法日記」より転載)
佐藤由美子(さとう・ゆみこ)
ホスピス緩和ケアを専門とする米国認定音楽療法士。バージニア州立ラッドフォード大学大学院を卒業後、アメリカと日本のホスピスで音楽療法を実践。著書に『ラスト・ソング』『死に逝く人は何を想うのか』。