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2014年12月19日 21時57分 JST | 更新 2015年02月18日 19時12分 JST

宮城県登米市から医療を発信していきます

Yusuke Tanoue

ご当地医療。地域の実情に応じて医療は行われるため、これからは医療格差がより当たり前となる。ただ、それは医者や病院の数に比例するものではない。

私は外科医として診療する傍ら、いい医療とはどのようなものか、より適切な医療が行われるためには何をなすべきか模索をしていました。震災時、大学にいながらボランティアの一環として、東京の若者中心に被災地で月1回子供向けのお祭りイベントを行い、さらに仲間の医師と共に宮城県登米市民病院で週末日当直を受けるプロジェクトを約1年半実施しました。

その活動を通して、高齢化が進み医療の需要は高くなっている中、十分な提供体制が確保されていない地域医療の現状や、徐々にボランティアの手も薄くなっていく被災地の現状を目の当たりにして、多くの問題点を認識しました。一方で、週末だけの派遣であっても毎週定期的に通い、診療を行うことで地域の医療機関と協力しながら出来ることも多く、地域の医療を改善させることができる可能性を感じました。

以前より、医師が都市圏に集中するという現実がある一方で、都市圏に住みながらも何らかの形で地域医療に貢献したいという医師も多くいるという認識があったことから、東京と地域の双方に拠点を置き、医師を循環することにより、生活の拠点を都市圏におきつつも地域医療に貢献できるのではないかと考え、現在は登米市と東京の双方に診療所を開設して診療を行っています。そして、それは東京での医療を登米市で、登米市での医療を東京でと、質の交流が生まれています。

地域医療の実践という点では、東京23区と同じほどの面積の登米市内全域をカバーし、「24時間対応」で「慢性期から看取りまで」を包括的に対応する在宅診療所を運営するとともに、行政や地域の医師会や市民病院と連携する体制を目指しています。

さらに、患者のみならずその家族、地域住民を含めた地域内全員参加型の地域包括ケア体制を構築すべく、「オープン・メディカル・コミュニティ」というコンセプトのもと、情報発信として定期的な市民講座、地元FMに医療情報を提供するラジオ番組を持つなどの活動を行い、さらに地域住民が医療・介護について話し合える場としてのコミュニティカフェ"coFFee doctors"をオープンし、その場所で地域の人たちと話したり相談を聞いたりしています。

私は、地域医療の改善に対して、単に自己犠牲の精神でがんばるのではなく、都市圏に住みつつも地域医療に貢献できるというモデルを構築して実践し、また、オープンメディカルコミュニティという考え方のもと地域内全員参加型の地域包括ケア体制作りを行い、宮城県登米市から医療を発信していきます。