同性愛牧師を監督に選出:米国最大のルター派教会

アメリカ福音ルター派教会(Evangelical Lutheran Church in America:ELCA)は、5月31日(米国時間)にカリフォルニア州ウッドランドヒルズで開かれた教会会議で、南西カリフォルニア教会の地域監督(Bishop:カトリック教会の司教に相当)としてガイ・アーウィン牧師を選出した。
Guy Erwin

アメリカ福音ルター派教会(Evangelical Lutheran Church in America:ELCA)は、5月31日(米国時間)にカリフォルニア州ウッドランドヒルズで開かれた教会会議で、南西カリフォルニア教会の地域監督(Bishop:カトリック教会の司教に相当)としてガイ・アーウィン牧師を選出した

これによりアーウィン氏は、この宗派における地域監督および監督65名のうちの1人になるが、同時に、同宗派で初めて公式に選出された同性愛者の地域監督になる。

[翻訳注:アメリカ福音ルター派教会は、教会員数約410万人で、米国最大のルター派教会。2009年の全体総会時の決議によって、ゲイとレズビアンの牧師任職を可能にしたため、米国で最もリベラルなルター派教会と見なされている。この決定に抗議した保守派はELCAから離脱し、別宗派「北米ルター派教会」(NALC)を創設した]

アーウィン氏は、カリフォルニア・ルーテル大学でルター派神学の教授を務め、同大学の信仰と文化のためのセゲルハマーセンターの責任者も務めている。また、オクラホマ出身の同氏は、先住民オーセージ族の一員としても積極的に活動している。

アーウィン氏は「GLAAD」サイトで次のように述べている

「私が選ばれたことを、性的少数者とアメリカ先住民の両方にとって重要な節目であると考える人が大勢いるであろうことは承知しており、私は自分が、その両方のコミュニティにとって肯定的なイメージの代表者になれるよう祈っている。かつて私は、自分がELCAで牧師として奉仕することは絶対にできないと考えていた。われわれの教会は現在、LGBTの人々が宗派にもたらすことができる、神から与えられた才能や能力を認めている」

[翻訳注:LGBTとは、女性同性愛者(レズビアン、Lesbian)、男性同性愛者(ゲイ、Gay)、両性愛者(バイセクシュアル、Bisexuality)、そして性転換者・異性装同性愛者など(トランスジェンダー、Transgender)の人々をまとめて呼称する頭字語。最近は、国際連合をはじめとした国際機関においても、性的指向や性自認にまつわる人権問題を扱う公文書でこの言葉が用いられている]

※以下の画像ギャラリーでは、LGBTである各宗教のリーダーたちを紹介している。

[Paul Brandeis Raushenbush(English) 日本語版:佐藤卓/ガリレオ]

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