オバマ氏、米ロ首脳会談中止 スノーデン氏の亡命も一因
米ホワイトハウスは7日、オバマ大統領が9月初旬に予定していたロシアのプーチン大統領との首脳会談を中止したと発表した。カーニー米大統領報道官名の声明で「2国間の課題について、9月に首脳会談を開くほどの十分な進展がない」と理由を説明。米中央情報局(CIA)元職員のエドワード・スノーデン容疑者(30)について「一時的な亡命を認めたロシアの残念な決定も米ロ関係の状況を評価する要因の一つだった」とした。
■ロシア「失望した」
オバマ大統領は6日夜に放映されたテレビ番組で「ロシアとは伝統的に犯罪者の引き渡しで協力してきたのに、がっかりした」とロシアの決定を改めて批判していた。
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米国は、核軍縮やイランの核開発阻止、シリア内戦への対応、アフガニスタンからの米軍撤退などで、ロシアとの協力を必要としている。オバマ政権は1期目にロシアとの関係の「リセット」を掲げ、メドベージェフ前ロシア大統領との間で一定の成果をあげた。
しかし、プーチン大統領が昨年返り咲くと、関係改善は停滞。ときに強硬な姿勢をみせるロシアに米議会からも批判が出た。与党民主党のシューマー上院議員は会談中止について「(オバマ)大統領は明らかに正しい決定をした。いじめっ子のように振る舞うプーチン氏は首脳会談をするに値しない」とコメントした。【ワシントン=望月洋嗣】
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