2020年のオリンピックの開催地が東京に決まったことを受け、世界各国からメッセージが寄せられている。市長のお祝いもあれば、メダリストからの祝辞もある。しかし、なかには懸念を報じる新聞もある。各国で報道されている内容の一例を紹介する。
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「東京は正しい選択」ロンドンからの祝辞と、北京からの懸念の声
2020年夏季五輪・パラリンピックが東京で開催されることを受けて、各国から寄せられたメッセージを各メディアが報じている。
前回開催国のイギリスからは祝辞が、前々回開催国の中国からは、政治情勢を背景に懸念の声が寄せられているようだ。
【イギリスからのお祝い】
ロンドン市長のボリス・ジョンソン氏は、東京で五輪が開催されることについて「最大の祝福を送りたい」とコメント。世界都市であるマドリードとイスタンブールという、強力なライバルとのレースに勝利したことを評価した。「ロンドンと同じように、東京ならではのイベントになるだろう。私たちの経験を東京とも分かち合いたい」とも語っている。
また、勝因については、東京の「安全」というメッセージが評価されたからだとみている。これから7年間で解決すべき課題は多いものの、多くの人は東京五輪を楽しみにしている、と激励の言葉を送っている。
【メダリストからの評価】
ロンドン五輪組織委員長で、陸上1500mで2度金メダルを獲得した、セバスチャン・コー氏も、「東京を開催地にしたことは正しい決断だった」と話す。
充実したインフラを活かしたコンパクトな開催を掲げる東京五輪について、持続可能性や環境面から、先進的な事例になるかもしれないとも期待を示している。
【中国メディアは領土問題にも言及】
一方、中国メディアは、政治問題について懸念する報道も多くみられる。
人民日報傘下のグローバル・タイムズ紙は、「中日関係は過去40年間で最悪な時期にあるが、祝福したい」と述べた。ただし、平和と調和をうたうオリンピックが、靖国問題や慰安婦問題を解決していない日本で開催されることに疑問を呈している。
さらに、2008年北京五輪の聖火リレーを日本の右翼グループが妨害した過去を挙げ、中国は日本と違い、「寛容さと開かれた姿勢を示すだろう」と余裕を示している。
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