ホーキング博士の安楽死支持に海外ユーザーの反応は?

スティーブン・ホーキング博士が、安楽死や尊厳死を選ぶ権利について支持する考えを示した。このことに、海外ではどのような反応が怒っているかを紹介する。
LONDON, UNITED KINGDOM - APRIL 30: Stephen Hawking makes an appearance to show support for the Breathe On UK charity at on April 30, 2013 in London, England. (Photo by John Phillips/UK Press via Getty Images)
LONDON, UNITED KINGDOM - APRIL 30: Stephen Hawking makes an appearance to show support for the Breathe On UK charity at on April 30, 2013 in London, England. (Photo by John Phillips/UK Press via Getty Images)
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スティーブン・ホーキング博士(71)が、安楽死や尊厳死を選ぶ権利について支持する考えを示したことが話題になっている。ホーキング博士は9月17日にイギリス BBC放送のインタビューで「末期の疾患で大きな苦痛を持つ人は、死を選べる権利が与えられるべきだ」と述べたという。MSN産経ニュースなどが報じている。

ブラックホールの研究で知られるホーキング博士は、21歳の時に筋萎縮性側索硬化症(ALS)と診断された。ロイターによると、ホーキング博士はかつて肺炎で生命維持装置を付けた体験について触れ、次のように話したという。

妻がスイッチを切るかどうかの選択を迫られたが、自分は死ぬことを求めていなかったと振り返った上で、「末期症状や激しい痛みにある人に死ぬことを選ぶ権利を与えるべきで、それを支援する人たちは訴追されるべきではない」と述べた。

(ロイター「車椅子の物理学者ホーキング博士、安楽死の権利支持」より。2013/09/18 10:49)

ハフポストUS版でもこのニュースを報じたが、9月19日10時25分現在、1600件以上のコメントが集まっている。一例を紹介しよう。

Chuck919さん

我々は「その時がきた」とペットを安楽死させることができるのに、なぜ人間は耐え難い痛みや残酷な行為に苦しみ続けることを強いられるのか。人間も自分自身で安らかな死を選択できる権利を持つべきではないだろうか。

DreamWeaver2ndさん

オレゴン州では、痛みに苦しむ末期患者に対し、自死のための薬を処方することが認められた「尊厳死法」がある。具体的な指針が設けられているが、宗教的信念を理由にこの法律を変えようとする人たちもいる。この法律が最初に成立してから、少なくとも2回、法を認めるかどうかの投票をしなければならなかった。

これは、この法が死刑制度だとする信仰上の主張のための投票ではなく、ただ尊厳死に反対するための投票であったり、女性が自身の健康と身体のために自らが判断できる権利を得るための投票であったりするべきだ。

私にとっては宗教的信念を理由とした投票は、残酷で異常に感じる。

vobiscumさん

なぜ自殺幇助が適応されるのは末期症状でなければならないのか?なぜ個人が望むタイミングで選択することができないのだろうか。

Tien Leeさん

そもそも、ほとんどの「末期患者」は「無能力状態」であるかもしれず、自分自身で判断することが出来ませんよ。合法的な制度や法の下でさえ、無能力状態の患者は正しい判断や法的判断が出来ないと認識されている。例えば、アルツハイマー病の患者は、遺言状に署名したり立ち会ったりすることができない。アルツハイマー病の患者がサインした遺言状は「無能力状態」の人が誰かに強要されたものとされ、遺言状は無効となる。

最もお気に入り登録が多いコメントは、BuckyJamesDioさんの次のコメントだ。

BuckyJamesDioさん

安楽死への反対意見を上げているのは、敬虔な人たちが多いという点が興味深い。死んだら天国に行けると信じている人たちだ。

なぜ安楽死を止めるんだ?それこそ、クリスチャンじゃないだろう?

日本においてはどのような状態かを見てみよう。

自らの意思で治療を打ち切り、死を選ぶ「尊厳死」については、2012年には超党派の国会議員連盟(議連)が法制化を進めていた。この議連には増子輝彦参議院議員を会長、町村信孝衆議院議員を顧問とし、塩崎恭久衆議院議員や、山本一太参議院議員、下村博文衆議院議員、大河原雅子元参議院議員、谷岡郁子元参議院議員などが名を連ねていた。

自民党は2012年12月の政権公約で「患者意思(リビングウィル)の尊重と見取りの充実を図ります」と書いている。コトバンクによると、リビングウィルとは、「延命治療を拒否するという意思を生前に書面で表明しておくこと」とされる。

一方、尊厳死の法制化に反対する動きもある。「尊厳死の法制化を認めない市民の会」のホームページには、次のようなメッセージが掲載されている。

「重度の障害者たちは地域サービスの未整備もあって、家族の介助に依存しなければ生きていけない人たちもいます。その人たちは、家族への遠慮から延命治療を選択しにくい状況にあります。この人たちにとって、この法律ができることは治療を停止して、死を選ばざるをえない状況に追い込むことにならないでしょうか?現実にそのような悲しい選択をした障害者たちを私たちはたくさん見ています。」

(尊厳死の法制化を認めない市民の会「呼びかけ人からのメッセージ」より。)

尊厳死を法制化することについてどう思いますか?あなたの考えをお寄せ下さい。

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