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2013年10月02日 00時52分 JST

バルーン式ホールの「アーク・ノヴァ」、被災地で音楽祭

外から見れば、紫色の巨大ジェリービーン。中に入れば、光を放つきれいな色の貝殻、という感じだ。風船のようなこの物体の正体は、世界初のバルーン製コンサートホール「アーク・ノヴァ(Ark Nova:新しい方舟)」だ。

イギリスの著名な彫刻家アニッシュ・カプーア氏と、日本人建築家の磯崎新氏が手を組んで生み出したのは、まるで別世界からやってきたような構造物だ。

アーク・ノヴァの収容人数は500名から700名。弾性のある素材で作られており、空気でふくらませたり解体したりできる方式になっている。「ニューヨーク・タイムズ」紙の美術評論家ロバータ・スミス氏はカプーア氏について、「どんなときもまるで魔術を使っているかのようだ」と評したが、まさにその通りだ。

アーク・ノヴァ・プロジェクトでは、毎年夏にスイスで行なわれる有名な音楽祭「ルツェルン音楽祭」の支援を受け、2011年に起きた東日本大震災の被災地を、今後3年にわたってめぐる予定だ。

場所を問わずどこにでも持っていけるこの優れた構造物は現在、復興のまっただ中にある宮城県松島町に設置されている(9月27日から10月13日まで)。

すでに、ベネズエラ人指揮者グスターボ・ドゥダメル氏が地元の子どもたちを対象にワークショップを行なったほか、歌舞伎役者の坂田藤十郎氏が、歌舞伎や日本舞踊を披露している。(坂本龍一氏もアーティスティックディレクターの一員であり、13日には東北地方の中学高校生からなる「東北ユースオーケストラ」と共に出演する。全体プログラムはこちら

今後も、被災地各地でコンサートやワークショップなどを開催するという。ルツェルン・フェスティバル・アーク・ノヴァの主催者たちは、音楽や建築の力を通じて、被災地の人たちに希望を伝えたいと願っているという。

[Priscilla Frank(English) 日本語版:遠藤康子/ガリレオ]