石破茂氏、500億の名護振興基金「ゼロベースで見直す」 辺野古反対派の市長再選で

沖縄県、名護市長選で500億円の「名護振興基金」を作る構想を表明していた自民党の石破茂幹事長は、1月20日、現職の稲嶺進氏の再選を受け、「稲嶺進市長から言及がない以上、どうするか申し上げることは適切ではない。市長から伺い、しかるべく対応をする」と述べ、見直す考えを示したという。朝日新聞デジタルが報じた。
時事通信社

沖縄県、名護市長選で500億円の「名護振興基金」を作る構想を表明していた自民党の石破茂幹事長は、1月20日、現職の稲嶺進氏の再選を受け、「稲嶺進市長から言及がない以上、どうするか申し上げることは適切ではない」などと述べ、見直す考えを示したという。朝日新聞デジタルが報じた。

自民党の石破茂幹事長は20日、米軍普天間飛行場の同市辺野古への移設反対を訴える稲嶺進氏(68)の再選を受けて、「稲嶺進市長から言及がない以上、どうするか申し上げることは適切ではない。市長から伺い、しかるべく対応をする」と述べ、ゼロベースで見直す考えを示した。構想は市長選で敗れた末松文信(ぶんしん)氏(65)を支援するために、石破氏が応援演説で打ち出していた。党本部で記者団に語った。

(朝日新聞デジタル「振興基金500億円見直し 石破氏、名護市長選うけ」より 2014/01/20 13:44)

この「名護振興基金」の構想については、山本太郎参議員が「カネで黙らせて、お前らはカネで魂を売るだろうと、そのような投げかけをされている」などと批判していた

また、NHKニュースによると、石破氏は「なぜ辺野古への移設が必要なのか理解が得られなかった。選挙結果を厳粛に受け止めて対応していきたい」と述べ、今後も地元に理解を求めていく考えを示した。

石破氏は、稲嶺氏が「埋め立てを前提とした、いかなる手続きや協議もすべて断っていく」としていることについて、「行政の権限の行使としてはあり得るが、『政治目的で一切認めない』ということであれば、正しくない。丁寧に説明しながら、辺野古への移設を着実に進めるしかない」と述べました。

(NHKニュース『石破氏「厳粛に受け止め対応」』より 2014/01/20 12:58)

■閣僚は「知事の承認を重く受け止める」

菅義偉官房長官も20日午前の記者会見で、「名護振興基金」の構想について、「末松ビジョンを実現するためということだった。県をはじめ沖縄の関係者のみなさんでどうされるかという判断だろうと思う」「今度市長がどうされるかということは私は承知していない」と述べた。また、普天間飛行場の移設に関しては、「普天間飛行場の固定化は絶対避けなければならないということは政府と沖縄の共通認識」「地方選挙結果の権限は限られている。埋め立てについては知事から承認を得ているので、出来る限り説明をし、理解を求めながら進めたい」と述べ、沖縄県の承認に基づいて、移設計画を進めていく考えを示した。

小野寺五典(いつのり)防衛相は名護市長選の結果を受け、「地方の選挙が直ちに移設問題に直結するとは考えていないが、地元の理解を頂くための努力をしたい」と述べたという。NHKニュースが報じた。

小野寺防衛大臣は20日朝、記者団に対し、「地方の選挙が直ちに移設問題に直結するとは考えていないが、地元の理解を頂くための努力をしたい。沖縄県から埋め立ての許可を頂いたことを重く受け止め、着実に移設を進めていきたい」と述べ、現在の移設計画を着実に進めていく考えを強調しました。

そのうえで小野寺大臣は、稲嶺市長が、名護市辺野古沿岸部への移設を前提とした協議には応じない考えを示していることについて、「内容を精査する必要があるが、自治体と協議する必要があるものは、法令に基づいてしっかり対応すれば進んでいくのではないか」と述べ、法令違反などがなければ工事は進められるという認識を示しました。

(NHKニュース『防衛相「着実に移設進めたい」』より 2014/01/20)

■首長からは「市民の意志を受け止めなくてはならない」の声

大阪市の橋下徹市長は、今回の名護市長選が76.71%と投票率が高かったことに触れ「投票率も高く、市民の意思として重く受け止めなくてはいけない」と述べたという。

橋下氏は名護市辺野古に移設する政府方針に賛意を示した上で「民意が示された以上、無視するわけにはいかない。普天間に基地を固定化させないため、名護市民や市長と丁寧に協議すべきだ」と語った。

(MSN産経ニュース『「市民の意思、重く受け止めを」橋下氏、政府方針は支持』より 2014/1/20 12:54)

関連記事

注目記事