婚活サイト詐欺が急増、投資用マンションを購入させる手口とは【事例】

婚活サイトで知り合った相手に進められ、投資用のマンションを購入してしまったというトラブルが急増していることが23日、国民生活センターの調査でわかった。2013年度の相談件数は42件に上り、前の年の3倍になっているという。
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婚活サイトで知り合った相手に進められ、投資用のマンションを購入してしまったというトラブルが急増していることが23日、国民生活センターの調査でわかった。

相談件数は、年々増加し、2013年度の相談件数は42件で前の年の3倍になっているという。

従来のデート商法といえば、恋愛感情を利用してアクセサリーや投資用ソフトなどを購入させるケースが多かったが、金額被害の大きさなどがスケールアップしている。契約者の平均年齢は35.1歳。性別は、女性が男性の2倍以上だという。

なお、契約購入金額が確認できたケースによれば、一人当たりの平均額は約3012万円。通常の消費生活相談と比べ、かなり高額な事例が多いようだ。

国民センターは、消費者に向けて以下のようにアドバイスしている。

(1)婚活サイトを通じて知り合った人からマンション購入などの勧誘を受けたら注意すること。



(2)クーリング・オフの適用されるケース以外での解約が困難なことが多いので、マンションなどの不動産購入は、慎重に検討すること。



(3)婚活サイトなどで公開する情報の閲覧範囲に注意し、必要以上にプライベートな情報を掲載しないようにする。

国民生活センターの発表によれば、主な相談事例は、以下の通り。

【事例1】婚活サイトで知り合った投資コンサルタントの男性を信じ、投資用マンションを契約婚活サイトで知り合った男性と、数回会って食事をした。

男性は投資コンサルタントをしていると言い、投資の話を聞いた。資金運用の勧誘かと聞いたら、男性が急に怒り出して数時間口論になった。ケンカになったが、本音を言い合えたように感じ、男性を信じられるようになった。



「お金の使い方を教えてあげる」と言われ、後日会った時に「君にはマンション投資が向いている」と言われた。さらに詳しく聞くため、日を改めて男性の職場へ行くことになり、源泉徴収票を持ってくるよう言われた。男性から「節税対策、年金の足しにもなる。家賃保証もあって、借り手がいなくても大丈夫」と言われた。不安はあったが、男性を信じたい気持ちもあり、いくつかの書類にサインをした。女性社員が脇で録音しながら「これを買うと何かしてあげるなどのセールストークはなかったか」など確認していた。



数日後、男性と、マンション販売業者の事務所へ本契約のために出向いた。契約書にサインし、男性

と売主業者と3人で銀行へ行き、融資の手続きをしたが、その後、男性と会えていない。



(2013年11月・30歳代・女性・給与生活者)

【事例2】婚活サイトで知り合った男性とデートを繰り返し「税金対策・年金代わり・個人的に面倒をみる」と言われて契約、その後音信不通に

婚活サイトで知り合った男性とデートをした時、節税対策の助言と言われ、勤務先や収入等を聞かれた。次のデートで「節税対策、年金・生命保険の代わりになるのでマンション投資がよい。個人的にも面倒をみる」と強く購入を勧められた。



3回目のデートで銀行審査の手続きを勧められ、4回目で銀行審査の手続きをした。この間、男性はいろいろな物件をメール等で紹介してきた。実際の契約は7回目に会った時で、ホテルに呼び出された。



この男性と直接契約するものと思っていたが、実際は、男性が連れて来た知り合いの人の会社との契約だった。「契約後、すべて面倒をみる」と言われていたので、確定申告の相談をしたら連絡が取れなくなり、契約が目的の詐欺だったのでは、と感じた。購入したマンションは、一度も見ていない。解約したいが可能か。



(2013年1月・30歳代・女性・給与生活者)

【事例3】旅行の約束までした男性から勧められ、よく分からないままマンション契約。解約を迷っている間にクーリング・オフ期間を超過、男性とは疎遠に



去年、婚活サイトで金融に詳しいと言う男性と知り合い、食事をするようになった。「投資用マンションは確実にリターンが望める」と勧めてくるので、男性の勤務先で説明を受けた。



投資用マンションの説明は不明点が多く、質問してもはぐらかされた。よく理解できなかったがマンション購入の契約書に署名捺印し、白紙委任状まで作成した。男性と旅行の約束をし「昔からの知り合いみたい」と言われ、すっかり信用していた。銀行審査を受ける前、現在居住している住宅のローンを組んでいることは話さないよう口止めされた。



その後、不安感が増し、知り合いに相談したら、内容証明を書いてクーリング・オフするように言われた。しかし、キャンセルには解約料が必要だと思っていたことと、恋愛感情もあり、期間内のクーリング・オフはできなかった。



旅行は直前でキャンセルになり、預けた書類が届く頃には男性とは疎遠になっていた。不動産業者が倒産したら、空室になったらといろいろ心配だ。解約したい。



(2013年7月・30歳代・女性・給与生活者)

【事例4】婚活パーティーで親しくなった女性に勧められ、マンションを相場より高く買わされた

去年、婚活パーティーに参加。そこで親しくなった女性に勧められ、2700万円の賃貸用中古分譲マンションを購入。販売業者の紹介で銀行の住宅ローンを契約し、入居者も紹介してくれたので家賃収入があり、満足していた。借家人が退去したので、サブリース契約をするつもりでいた。

その頃は女性を信じており、相場価格なども調べていなかった。先日、気になったのでマンション近くの不動産業者で相場を聞いたところ、約1000万円も高く買っていたことが分かった。

(2013年9月・30歳代・男性・給与生活者)

【事例5】婚活サイトで知り合った男性を信じて「将来のために」とマンションを購入したとたん、連絡が途絶えた。売却を考えたものの市場価値は半値だった



婚活サイトで知り合った男性と何回か会ううちに、節税の話になった。「将来のために」とマンション購入を勧められた。「価格が急に下がることは無い」と言われ、購入後も「持っていれば損したりしない」の一点張りだった。



デートの時は優しく、時には叱責するような話しぶりで、心を操作された気がする。当時はデート商法

であることに全然気が付かなかった。購入後は連絡が途絶えた。購入して半年後、マンション売却の見積もりを取ってみたら、市場価値は購入額の半値程度と分かった。



(消費者トラブルメール箱 2013年7月・30歳代・女性・給与生活者)

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