日本人の英語力 「お金かけても向上せず」 どうしたら上達できるのか?

留学支援など英語教育事業を手がけるEF日本が発表した英語能力指数によると、日本人の成人の英語力は「莫大な個人投資に反 して向上していない」と評された。どうしたら上達できるのだろうか。
Aflo via Getty Images

英語を長年、お金をかけて学んでいるのになかなか上達しない――。留学支援など英語教育事業を手がけるEF日本(Education First Japan)が1月29日に発表した「2013年EF英語能力指数(EPI)第3版」によると、日本人の成人の英語力は参加60カ国のうち26位で「標準的」レベルだったものの、EPI第1版以降の過去6年の間で「若干低下している」とされた。さらに、韓国とともに「莫大な個人投資に反して向上していない」とも評された。どうしたら上達できるのだろうか。

レポートは、「極めて裕福で発展した国であるにも関わらず、日本は競争の激しいグローバル経済で必要なはずの英語を学生に教えることに苦心しています」と分析。その理由として、教育制度の問題や英語を使う機会が少ないという社会・生活環境、また景気低迷が続いて海外で学ぶ留学生が減少していることなどを挙げている。

日本の教育制度は英語のコミュニケーションスキルに重きを置いていません。教師と学生の関係は、ほとんどの授業が講義形式であり、伝統的です。これが他の科目では功を奏しますが、英語の授業では、練習の機会や、新たなスキルを実践する機会を学生に与えていないことになります。加えて、英語教師は講義のほとんどを日本語で行っています。

(中略)

現在の政府は日本の英語レベル向上に対する関心を表明していますが、何ら際立った改革を実施してきていません。2011年に英語指導を小学5、6年生に拡大 しましたが、すでに97%の小学校で行われていた英語指導の内容を標準化することを目的としたものでし た。「週に1時間、英語で歌を歌い、簡単な単語を繰り 返しても児童が英語能力を身に着けるには不十分です。」と立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科の鳥飼久美子教授は述べています。

(「EF EPI 英語能力指数(第3版) - 日本の特徴」より)

レポートによると、同じ東アジアの中国は全体の34位で英語力は「低い」としているものの、指数は「ゆっくりだが着実に」上昇。「中産階級にとって、自己啓発と社会的地位の向上のために流暢な英語が欠かせなくなっている」「2011年には約34万人が海外留学をしており、世界で最も海外へ留学生を送り出した」とその勢いを述べている。

また、日本の隣国の韓国は24位。英語学習熱が「国民的執念」と言われるほど高く、小学校から大学の間に英語学習に2万時間を費やしているにも関わらず指数は下がっていると指摘し、「膨大な時間と金、エネルギーを費やしたのに、改善しなかったことは驚くべきことだ」と評している。

アジアでは、マレーシアとシンガポールがそれぞれ11位と12位で英語力が「高い」とされた。また、経済発展が著しいインドネシア(25位)とベトナム(28位)はともに日本と同じ「標準的」だったが、「大きく 向上している」とされた。

■教室の英語からの脱却を

日本の英字紙ジャパンタイムズのコラムニスト、エイミー・チャベス氏は1月10日、ハフィントンポスト・アメリカ版へ寄稿したブログの中で、英語教育に苦しむアジア諸国は「フィリピンの英語教育から何を学ぶことができるのか」と論じた。

チャベス氏は、「フィリピンでは海外経験がなくても英語を流暢に話す人が多い」と指摘した。フィリピンは、1898年から1946年までアメリカ占領下にあり英語は「支配者に押し付けられた言語」だったが、英語の大切さを認識していたフィリピンは、独立後も英語を公用語にする道を選んだこと説明。一方の日本は、「第二次大戦後にアメリカの占領下に置かれたものの、1952年に主権回復した後はその利点を生かすことがなかった」と述べた。

さらにフィリピンでは、街中に英語の交通標識、会社の看板、広告などがあふれていて学校の外でも英語にさらされる環境であることを挙げ、「教室では習わないような表現を毎日の生活から学んでいる」と記した。「テレビのニュースでは、フィリピン人のキャスターが英語で伝えていた」ともいう。

チャベス氏は、ブログの最後で、仕事やコミュニケーションのために英語を学ぶことの重要性を強調している。

「英語を科目として学ぶだけでは不十分だ。もし、日本のように(英語検定の)TOEFLの順位が低いアジア諸国が改善したいと思うなら、英語について、仕事のため、またコミュニケーションのための言語として取り扱う必要がある。そして、それらの国々は、「いかに英語を上手に教えるのか」ではなく、「いかに上手に英語を学ぶのか」ということを深く考えなければいけない。

(What Asia Can Learn From Philippines About English Education | Amy Chavez 2014/01/10 02:08)

ハフィントンポスト日本版はFacebook ページでも情報発信しています

関連記事

注目記事