家入さん、ネット都知事選どうでしたか
9日の東京都知事選で、主な候補者たちは、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)やネット中継を駆使しながら、1千万人にのぼる有権者の取り込みを図った。8万8936票を獲得し5位だった家入一真さん(35)に、ネット選挙をどう戦ったかを聞いた。
――「ネットの力で既存の政治や選挙をハッキングする」と宣言しての立候補でした。
ネットだけで選挙をどこまでやれるか試したかった。初めは家から一歩も出ずに、24時間ネットで動画を配信して、有権者とやりとりするだけの選挙戦を考えていたんです。ネットなら、お金もかからないですし、組織がなくても戦える。「地盤、かばん、看板」がなければ戦えないというような、古い選挙をネットで変えることができれば、若い人がもっと選挙に出やすくなる流れを作れるんじゃないかと思いました。だから、告示日に「マイク替わりにiPhoneを! ビラ替わりにホームページを! 事務所替わりにFacebookを! 握手替わりにTwitterを!」と宣言しました。
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――起業を目指す若者らに資金調達の道を開き、震災の復興支援金集めにも活用された「クラウドファンディング」の手法を選挙資金集めに採り入れました。
政治団体「インターネッ党」を立ち上げ、ネットで呼びかけました。僕の考えていることに賛同してくれた人から少額ずつお金をもらうようにしました。一口500円から。692人から744万円が集まった。そもそも立候補するための供託金が300万円とか、選挙に出るにはお金がかかりすぎる。こういった手法で資金を集めて選挙に出られるなら、立候補するハードルを下げられると思いました。
(朝日新聞社提供)