気候変動が「国の格付け」に影響を及ぼす 格付け会社S&Pが警告

アメリカの格付け会社のスタンダード&プアーズ(S&P)が発表した報告書によると、世界的な気温の上昇によってソブリン債格付け(国の総合的な債務の履行能力を示す発行体格付け)が押し下げられることになる。
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気候変動が破壊するもののリストに、「国の格付け」も加えなくてはならなくなる――。

アメリカの格付け会社のスタンダード&プアーズ(S&P)が発表した報告書によると、世界的な気温の上昇によってソブリン債格付け(国の総合的な債務の履行能力を示す発行体格付け)が押し下げられることになる。S&Pは、現状で格付けが低い貧困国が気候変動の影響を一番受けることになると指摘している。

アフリカやアジアといった途上国、たとえばバングラデシュ、セネガル、ベトナムといったエマージング・マーケット(新興国市場)がもっとも高いリスクにさらされる。こういった国は脆弱な債務国で、S&Pの格付けでも最低ランクに位置する。

S&Pの報告書は、「こうした事態は、生産や雇用を農業に依存している国に起こり、気候パターンの変化や異常気象に弱い。それだけではなく、財政負担を吸収する力がない国も同様だ」と指摘していると、CNBCが伝えている

S&Pでは128カ国の政府のソブリン債格付けを行っている。格付けは政治的、経済的リスクも加味してその国の信用度に基づいて行われる。気候変動は世界的なメガトレンドとして分類され、世界中の国が温暖化の影響に苦しむことになり、とりわけ経済成長や財政に影響が及ぶと見られている。

S&Pは異常気象に基づいて国家の信用格付けを変更することはまだ行っていないが、次第に気候変動に関連した格付けを行うようになってきた。気候に関連した損失は全ての大陸で拡大しているとS&Pは指摘している。こうした気候変動は将来的に信用格付けの項目となるだろうと報告書で述べている。

さらに今月、アメリカ海軍分析センター(CNA)は財務報告の中で、気候変動は国の安全保障上の問題となり、海面上昇干ばつといった気象関連の問題は安全保障が脆弱な国に「不安定と紛争をもたらす」ことになりかねないと警告している。

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