米航空宇宙局(NASA)などが1978年に打ち上げ、運用を終了した探査機が、今年8月の地球再接近に合わせて市民団体によって再利用される可能性が出てきた。NASAが21日明らかにした。
この探査機「ISEE─3」は太陽風や地球の磁気圏を調査するために打ち上げられたが、彗星(すいせい)探査にミッションを切り替え、1986年に地球に接近したハレー彗星などを調査。その後も運用は続き、1997年に運用を終了した。
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今年8月に地球に接近することから、科学愛好家らでつくる団体が先月、探査機を再起動させるために必要な資金12万5000ドル(約1270万円)をクラウドファンディングで調達することに成功した。
団体は21日、NASAから承認を得て、探査機を制御できるようになった。同機にはなお燃料が残っており、観測機器として機能するとみられている。
このプロジェクトに関わる元NASAエンジニアのキース・カウィング氏は、ウェブサイトで「われわれの計画はシンプルだ。ISEE─3探査機にコンタクトし、エンジンを点火させ、地球周辺の軌道に乗せ、当初のミッションを再開させることだ」と述べ、彗星調査も可能かもしれないと期待を示した。[ケープカナベラル(米フロリダ州) 21日 ロイター]
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