公安調査庁の採用パンフレットに起きた変化が破壊的すぎる

公安調査庁の2014年度の職員採用パンフレットが話題だ。マンガ風キャラクターが使われており、これまでの採用パンフレットのイメージを破壊したかのように、ガラッと印象が変わっている。

公安調査庁が5月16日に公開した、2014年度の職員採用パンフレットが話題だ。マンガ風キャラクターが使われており、これまでの採用パンフレットのイメージを破壊したかのように、ガラッと印象が変わっている。

公安調査庁は、公共の安全を脅かす可能性がある団体等に対し、調査を行っている法務省の外局。無差別大量殺人などのテロ活動などの脅威に対して、高度な情報収集、分析を行っている。

これまでの採用パンフレットは、「情報のプロフェッショナルとして」と題された同庁の概要に始まり、「私たちは、公共の安全につながる動向を調査・分析するために生まれました。」と書かれた「公安調査庁の役割」、「全国の組織が連携し、関係機関へ情報を提供。公共の安全に寄与。」とされる「業務の流れ」のページが続く「硬派」とも言えるテイストでまとめられていた。

しかし、2014年度のパンフレットでは、ニュースキャスターに扮したキャラクターが「日本は『安全な国』―。でも、その裏では様々なことが起きています!」と、同庁の概要や役割を紹介するポップなものになっている。

さらに力が入れられているのは、職務の紹介ページだ。「公安調査庁にはチャンスがいっぱい!!」と題されたページでは、「幹部ポストに一般職職員を積極的に登用!」「海外勤務のチャンスが豊富!」というように2013年度の採用パンフレットには1文字として使われなかった「!(感嘆符)」が多用されており、元気の良さ、華やかさをアピールしている。

職員インタビューも、これまでのパンフレットでは、「入庁してまず感じたのは、『華やかさがない』こと(笑)」、「情報機関と聞くと、映画のような派手なイメージを持つ人もいるかもしれませんが、実際には相手の信頼を得て、会って話を聞くという、地味な積み重ねがないと結果が出ない」などと書かれていた。

しかし2014年版では、「自分で企画することが好なきな人集まれ!」「公安調査庁の仕事は、言わば“友達を作る”ということ」と題された職員インタビューが並び、文章も「当庁では、デスクワークやルーティンワークでは味わえない、クリエイティブな仕事ができます」「高度な情報は簡単に手に入れることはできませんから、地道な仕事の積み重ねが必要になります。何かと苦労も多いですが、調査官になってよかったと思うことは、人として成長できたことです」などのポジティブな面をアピールする書き方に変わった。

新しいパンフレットには、同庁が求める人材の理想像について「定まっていない」と分析する職員インタビューも掲載されている。世間一般的には「快活で、聡明な人」が、必ずしも好かれる保証はないと指摘。「当庁の求める情報法を持つ人物や考え方は常に様々」としており、職員にも色々な人がいる必要性があるとしている。

刷新されたパンフレットでどのような人材を採用しようとしているのか。公安調査庁の2014年度の採用予定は5名。採用数も増え「広き門」になったというので、興味がある人は、一度じっくり読んでみても良いのではないだろうか。

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