[ガザ/エルサレム 25日 ロイター] - パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスとイスラエルとの停戦を模索する協議が、正念場を迎えている。
戦闘による市民の死者数が増加するなか、ケリー米国務長官は25日、関係者らに停戦合意にこぎ着けるよう促した。
停戦調停者らは、ラマダン(断食月)の終わりを祝う来週のイスラム教の行事までに停戦を実現させたい意向だが、イスラエル、ハマス双方とも妥協し難い条件を設定している。
ケリー長官の側近は同長官の忍耐が限界に達しつつあると指摘した。
ガザ北部では24日に国連が運営する学校が砲撃され、15人が死亡。現地当局者はイスラエルによる砲撃としている。
一方、イスラエルは学校付近でのパレスチナ側からの攻撃に応戦したとし、被害が出たことについて避難を妨害しているとしてハマスを非難した。
ガザ当局によると、同地区での死者数は804人に達しており、その多くが市民となっている。
またヨルダン川西岸では、約1万人が抗議デモに参加。イスラエル軍の検問所に石や火炎瓶を投げ付け、同軍と衝突。パレスチナ医療当局によると、1人が死亡、200人が負傷した。
イスラエルのネタニヤフ首相は25日、治安閣議を開き、制限付きの人道的停戦について協議する。
イスラエル当局者によると、政府は7日間の一時停戦を想定しており、この間に軍はガザ東部で、ハマスが築いたトンネルの捜索・破壊活動を続けるという。
同当局者は「まず、イスラエルは(ケリー長官の)提案へのハマスの反応を知りたい」と述べ、治安閣議の一部メンバーは停戦の下でガザから残りのロケット弾がすべて排除されることを求めていると加えた。
ハマス側のコメントは得られていないが、23日にはハマスの指導者メシャール氏が人道的停戦について、ガザの封鎖政策を緩和するという条件なら支持すると語っている。
停戦に向けた取り組みに関与しているエジプトの当局者は、ラマダンの終了を祝う来週のイスラム教行事の日に停戦が実現する可能性があるとの見方を示した。
一方、米当局者は停戦協議の進展に慎重な姿勢を示している。
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