[ニューヨーク/ブエノスアイレス/カラカス 29日 ロイター] - アルゼンチンの国債利払い期限が目前に迫る中、同国と債務再編を拒否したホールドアウト債権者側の和解に向けた交渉が29日、米連邦地方裁判所の定める調停人を介して行われた。両者の直接交渉はいまだ実現していない。
アルゼンチンのキシロフ経済財務相は調停人との協議に急きょ参加するため、ニューヨークに到着。協議が難航する中、債務問題に絡む交渉を主導してきた同経済財務相の出席は当初見込まれていなかったため、和解に向けたアルゼンチン政府の意欲が疑問視されていた。
キシロフ経済財務相は記者団にはコメントしていない。
アルゼンチンのユーロ建て債保有者はこれに先立ち、同国のデフォルト(債務不履行)回避に向け、米地裁が求めたファンドに対する支払い命令の執行を一時停止するよう要請。
米連邦地裁のトーマス・グリーサ判事はアルゼンチンからの命令執行の停止要請を退けているが、債権者側からの申し立てには異なった対応をする可能性もある。
訴訟資料の中でユーロ建て債保有者らは「この法廷の過去10年の成果がデフォルトでほぼ台無しになり、米国だけでなく世界の各地で訴訟が長引くことになる」と指摘。
再編を拒否した債権者に過去の債務再編時よりも良い条件を提示することを禁じるRUFO条項について、ユーロ建て債保有者らは付与されている権利を放棄する意向で、これに賛同する他の債権者とも連絡を取り合っているという。
RUFO条項が定める権利を放棄するには時間が必要と指摘し、一時的に支払い命令を停止するよう申し立てた。
一方、カラカスで29日行われた南米南部共同市場(メルコスール)の会合では、アルゼンチン債務問題に話題が集中し、参加国の首脳はホールドアウト債権者について、域内全体の脅威となる投機家だと批判した。
会合終了時には、債務返済能力を有するものの法的にそれが阻まれているアルゼンチンをデフォルトと認定することは決してできない、とした内容の公式声明を発表した。
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