どういう要素が女性の顔を「美しく」するのだろうか。それが難しい質問であることは、ジャーナリストのエスター・ホーニグさんが今年はじめに手がけた実験からわかっている。ホーニグさんは、自身の顔写真を世界25カ国のフォト・エディターに送り、「私をきれいにしてください」と依頼した。
その結果(日本語版記事)は実にさまざまだ。彼女の白い肌をさらに明るくしたものもあれば、濃くしたものもあるし、メイクを施したり、顔の骨格に手を加えたりしたものもある。「究極の美」とは何を意味するのか、「完璧な女性」は存在するのかを問いかけた実験だった。
一方、ジャーナリストのプリシラ・ユキ・ウィルソンさんが同様の実験を行なったところ、彼女がバイ・レイシャル(2つの異なる人種の親を持つ人、いわゆるハーフ)であることが、少し違った結果を招くことになった。
ウィルソンさんが各国のフォト・エディターに送ったオリジナル写真
ウィルソンさんは自身の個人ブログで、次のように述べている。「私の結果は、ホーニグさんの結果とは対照的でした。彼女の場合は、顔がキャンバスになって、十数種もの異なる美の基準が表現されましたが、私の場合は、フォトショップを使う上で、この顔が難題を突き付けたのです」。
「バイ・レイシャルである私の場合、私の顔に簡単にうまく美の基準や型はありません」
日本人と黒人の親を持つウィルソンさんはこれまで、「自分とは何なのか」という問いに、何度も向き合わざるをえなかったと語る。自分とは合わない社会一般の「美の基準」とぶつかりながら、折り合いをつけてきたのだという。
「私は、私のような顔をまだ完全には受け入れられない社会に生きています」とウィルソンさんは語る。「素のままの自分は、社会がつくりだす伝統的な基準には当てはまらないと、これまでの経験で教えられてきました。そうした基準では、肌の色は白ければ白いほど好ましく、髪の毛はまっすぐのほうが魅力的で、痩せているほうが美しいのです」
18カ国ならびにEUのフォト・エディターたちが、ウィルソンさんの依頼に応じて生み出した作品には、世界各地の文化が女性に対して抱く期待がとても多様であることと、すべてに適合することは難しいことがわかるだろう。
ベトナム
Priscilla Yuki Wilson
インド
Priscilla Yuki Wilson
メキシコ
Priscilla Yuki Wilson
アメリカ1
Priscilla Yuki Wilson
アメリカ2
Priscilla Yuki Wilson
アメリカ3
Priscilla Yuki Wilson
イギリス
Priscilla Yuki Wilson
オランダ
Priscilla Yuki Wilson
スウェーデン
Priscilla Yuki Wilson
スリランカ
Priscilla Yuki Wilson
スロヴェニア
Priscilla Yuki Wilson
シンガポール
Priscilla Yuki Wilson
アルジェリア
Priscilla Yuki Wilson
マケドニア1
Priscilla Yuki Wilson
ポルトガル
Priscilla Yuki Wilson
モンテネグロ
Priscilla Yuki Wilson
マケドニア2
Priscilla Yuki Wilson
イスラエル
Priscilla Yuki Wilson
欧州連合(EU)
Priscilla Yuki Wilson
ブラジル
Priscilla Yuki Wilson
アルバニア
Priscilla Yuki Wilson
[Cate Matthews(English) 日本語版:遠藤康子、合原弘子/ガリレオ]
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