
大韓航空を運営する韓進グループ会長の娘で、大韓航空の副社長だった趙顕娥(チョ・ヒョナ)氏が、機内でナッツを勧めた客室乗務員に激しく怒り、飛行機を引き返させてチーフパーサーを飛行機から降ろした問題は、当時の詳しい状況が乗客の証言から明らかになってきた。ハフィントンポスト韓国版に掲載された「ハンギョレ」の記事から。
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趙顕娥(チョ・ヒョナ)・前大韓航空副社長がニューヨーク発のKE086航空便で、キャビンアテンダント(CA)とチーフパーサーをひざまずかせ、大声でののしる場面を見たという目撃者が現れた。当時、飛行機のエコノミークラスの前方に座っていたこの乗客は、趙前副社長がひざまずいた客室乗務員にファイルか冊子のようなものを投げつけ「探してみろと言ってるんだ」と叱責していたと話した。マニュアルとみられるこの冊子はCAの胸に当たり、床に落ちた。
問題が起きた飛行機はエアバスA380機で、エコノミークラスとファーストクラスが隣接していて、エコノミーの前方に座った乗客はファーストクラスの状況を見ることができる。エコノミーの前方に座っていたというこの乗客は「ファーストクラスでうるさい声が聞こえたので、何事かと思って状況を見た」と話した。
乗客の証言によると、最初は女性の客室乗務員一人でひざまずいていたが、後に男性のチーフパーサーがその横に一緒にひざまずいた。乗務員が叱られているように見えたという。趙前副社長の声は最初から最後まで怒鳴り声ではなかったが、声が相当甲高くなることがあった。この乗客は、趙前副社長がののしる声は聞かなかったが、乗務員に向けて冊子を投げつけ、「探してみろと言ってるんだ」と叫んだことははっきり覚えていた。この乗客は「あるCAが、ファーストクラスに座っている女性らしき乗客に、理解を求めていた」と話した。
エコノミークラス前方の乗客が騒がしくなると、CAたちが集まって通路をふさいだ。この乗客は、ファーストクラスのCAやチーフパーサーがタブレットPCを持っている姿は見えなかったと言い「その様子を見た乗客がなぜ黙っているのか分からない」と話した。
「ハンギョレ」は、大韓航空操縦士労組を通じ、その日の機内の状況を確認した。パイロットは趙前副社長が搭乗したことは知っていたが、操縦席から出ていないため、客室での状況は知らなかったとした。0時50分の出発に合わせ、0時47分に飛行機の扉を閉め、53分にトーイングカー(滑走路に誘導するための作業車)に載せる途中で停止したという。インターホンを通じ、チーフパーサーが降りることは操縦士も知っていた。飛行機は離陸まで13分程度かかった。操縦士労組は「操縦士は安全とセキュリティー、定時運航を守らなければならないため、この障害となる状況でなければ飛行機を離陸させなければならない。チーフパーサーが荷物を持って降り、操縦士は離陸後に客室での出来事を知った。口にするのも恥ずかしい状況だった」と明らかにした。
この記事はハフポスト韓国版に掲載されたものを翻訳しました。
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