経営再建中のシャープは2月3日、2015年3月期の連結決算の業績予想を下方修正し、連結最終(当期)損益が300億円の赤字になるとの見通しを発表した。売上高は従来予想と同じ2兆9000億円に据え置いたが、本業のもうけを示す営業利益は500億円(従来予想1000億円)に下方修正した。
スマートフォン向けなどの中小型液晶パネルは、ジャパンディスプレイや韓国メーカーといった他社の攻勢による価格競争に巻き込まれた影響で採算が悪化。今期の液晶事業の営業利益計画は、従来計画の550億円から400億円に下方修正した。
また、大半を海外で生産している白物家電の国内販売は、為替レートを2015年3月期の下半期で1ドル=106円と想定していたことから、急速な円安進行のあおりを受けた。白物家電事業の通期営業利益は、従来計画の190億円の黒字から180億円になる。
高解像度の「4K」を中心に展開する主軸の薄型テレビも年末商戦で不振。テレビ事業を中心とするデジタル情報家電は赤字となる。
また、中国の子会社が現地課税当局から移転価格税制に基づく更正処分を受けたことで、追徴税額が101億円に上る見込みとなり、2014年4〜12月期連結決算に48億円を費用計上したことも響いた。
この結果、ヨーロッパの太陽電池事業縮小などに伴う特別損失をカバーできず、2013年3月期以来、2年ぶりの最終赤字に転落する。
シャープは再建に向け、3カ年の中期経営計画の目標を“必達条件”として、主力取引銀行の支援を受けていた。しかし、2014年3月期の業績予想が未達になるため、この計画を見直し、不採算事業の構造改革などをさらに進めるという。
毎日新聞によれば、主力銀行は融資を継続し再建を支える方針だが、「新中計では聖域無き構造改革が不可欠」(幹部)としており、不振のテレビや太陽電池事業の抜本的なリストラなども焦点となるとみられる。
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